おいらボーイ🐶 chapter 1.
おいらの名前はboy(ボーイ)キャバリエの♂
おいらの家族は、創(そう)という人間の25才の男子だけど、めちゃ優しい笑顔の持ち主だ。
飼い主と飼い犬の間柄じゃない同居人ってやつ。
創はちゃんとおいらを一人前に扱ってくれるいい奴なんだ。
毎週日曜日に、おいらと創の話を書きたいって
もの好きなひとが言ってるから、
嫌でも付き合ってくれると嬉しいな。
さて、おいらと創の家は住宅街の中にある
4軒だけのマンションってやつだ。
1階は駐車場で屋上には花壇があるんだ。
おいらたちは3階の2LDKに住んでるんだ。
このマンションの住人は仲が良くて
たまに屋上でBBQをしたり、おいらと会うと
頭を撫でてくれたり、創はダメだって言うけど
おやつをくれる人もいる。
創は普通のサラリーマンって仕事をしてる。
昼はひとりで留守番するおいらだけど
寝るのがおいらの仕事みたいなもんだから退屈はしないな。
創は本当においらを可愛がってくれるし
言うこと無いくらい、おいらは恵まれてるんだ。
だけど、ちょっとだけワガママを言わせて貰えば
雨が降ると散歩には連れて行ってくれない。
少しくらいの雨なら大丈夫だって!おいらが言うのに
創はここだけは譲れないとばかりに反対するんだ。
おいらが汚れるのが嫌だって言うんだけど
レインブーツだってレインウェアだってあるのに
外に出ようとしないんだ。
変なところ頑固なんだから、まいっちゃうよな。
内輪話はほどほど、ここから創とおいらの物語の始まりだ。
何でもないような毎日をどんな風に過ごしてるのかを
おいらが話すから、よく聞いておいてくれ。
朝はおいらが創を起こしてやるんだ。
起こさないと創は毎日遅刻するほど起きないんだ。
だけど、おいらが出来るのはここまでさ。
創がサラリーマンをやってられるのは、おいらのお陰だな。
起きると創は珈琲を淹れてトーストを食べるんだ。
もちろん!おいらの朝ごはんも作ってくれる。
「おはよう!」って挨拶して、朝ごはんだ。
食後は30分だけ朝の散歩にでかけるんだ。
おいらがちゃんと留守番するようにトイレを済ますためさ。
家に帰って創は、慌てて準備して出かけていく。
おいらは窓から見送って「いってらっしゃい」と
しっぽを振ってお見送りするのさ。
おいらは神様にお願いしている事があるんだ。
誰にも内緒にしているけど、言葉をしゃべりたいのさ。
創と話せないってか、話してるつもりでも
口から出る言葉は「わん!」としか聞こえないんだ。
留守の間の出来事や、いろんなことを創と話したくても
できない歯がゆさ、君には理解できるかな。
さぁ、創とおいらのプロローグはここまで。
また、会える日を楽しみに待っててくれよ。
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