『六人の嘘つきな大学生』
ここあの森へのご訪問、ありがとうございます☕
暑いので、ココアシロップをかけたかき氷をどうぞ😉
『六人の嘘つきな大学生』帰省先&旅行先での暇つぶしのためになにげなく購入したのだけれど、すごく良かった。
悪いことをしたから悪い人間、良いことをしたから良い人間。そんな風に一面だけを見て、その人の本質を決めつけていいのか、という筆者の叫び声が聞こえてくるような作品でした。
この人なら間違ったことはしない、と信じていた人が嘘をついていた。そんなことが何回も続いたら、人間不信になってしまうだろう。今の私がまさしくそうなりかけている。
この本に出てくる登場人物の一人も同じような目に遭い、やはり人間不信になりかけた。でも物語は、一人の人間が持つ様々な顔を描き出し、表面的な出来事だけを見て「この人はこういう人だ」と勝手に決めつけてはいけないんだと、その危険性をじわりじわりと教えてくれる。
そして「信じる信じないという単純な二者択一を乗り越える力」が人間にあることを暗示して、この物語は幕を閉じる。
どのような状況に置かれているかによって、本から受け取るメッセージは違ってくるかもしれない。私にとっては、自分の抱えている問題を乗り越えるためのヒントをもらえたような本で、出会うべきタイミングで出会えた、そういうタイミングの不思議さを感じさせてくれる本だった。秋に映画が公開されるらしいので、絶対に観に行きたい。