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これからも大事にしたい人。

大学生になって、高校時代の多くの友達とは離れ離れになってしまった。中には私と同じように東京の大学に通っている子たちもいるのだけれど、意外と会おうという話には至らない。

大学生になって、やっと「あの頃はクラスが一緒だったから、私たちって話していたんだな」という友達が何人かいることに気付かされた。疎遠になってしまうのは寂しいことだけど、あまりにも簡単だ。インスタもLINEも発達している今日だからこそ、続く関係、途切れてしまう関係、どちらも顕著に見えてしまうと感じた。

そんな悲しさを感じたのは、中高時代を一番長く一緒に過ごした友達とのすれ違いがきっかけだった。クラスが一緒になり、家が近く、学校で同じ英語の授業を受けていた。だから仲良くなれた。同じ大学の学部が第一志望。だけど、私はそこに落ちて、(でも第二志望だと思っていたところの方が、ぶっちゃけ向いていたので結果オーライ)彼女だけ合格した。だけど、彼女は最後まで、自分がその大学、そして学部に受かったということを教えてくれなかったのだ。

「おめでとう」っていう準備はできていたのに、彼女の口から進学先を直接聞くことは最後までなかった。「その程度の友情だったのかな」と、悲しくなったのは今でも覚えている。

「言ってくれればよかったのに!」

卒業式の日に、思わずそう言ってしまった。まだ笑顔で言えただけ良かったと思う。でも、私は彼女を傷つけてしまったのだろうか。「ごめん」という言葉とその表情だけでは、全ての感情を読み取ることができなかった。

同じ大学に進学したので、一度だけ一緒に遊びに行った。2人で飲んだクリームソーダは甘かった。それなりに会話もしたし、彼女が変わったわけでは、決してなかった。変わったのは、私の方なのだろうか。今となってはもうわからない。だけど、私たちの間には見えない溝があるような気がした。自分が作り出したのかもしれない。でも、なんとなくもう戻れないかもしれない、と感じた。

いつの間にか、友達付き合いがとても下手になってしまったような気がする。人から色々求めすぎているのだろうか。

明日は、高校時代の友達と会う。6年の間に彼女とはほとんど同じクラスになったことがないのに、なぜか一番付き合いが長い友達だ。細く、長く、緩く、と言ったところだろうか。物理的な距離が離れても、心の距離が変わらない人。時々思い出して連絡したり、声が聞きたくなったりするような人。周りの、そんな人たちをこれからも大切にしていきたい。

そしてできれば、中学高校の大半を一緒に過ごしたあの子とも、昔のように話せる日が、再び来ると信じたい。

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