Uberドライバーが、スゴイ人だった話 アメリカの日常エッセイ#58
アメリカで生活していると、タクシーを使うことはありません。
その代わり、Uber(ライドシェア)を利用します。
私は車を運転できないので、主人がいない時は、もっぱらUberなのです。
先日も、Uberでショッピングモールに出かけた時のこと。
迎えにきてくれたドライバーは、とっても気さくな60代半ばくらいのオジちゃんでした。
会話をしないドライバーさんも多いけれど、今回のオジちゃんは、コミュニケーションをとるのが上手くて、
私が日本出身であることから、会話が弾み、
・オジちゃんの息子(26歳)がちょうど日本に2,3週間旅行に行って、日本が大好きになった話
・その息子さんは、ブラジルに行った時、現地の女性と恋に落ちて、その彼女を今度紹介されること
・私も、アメリカ人の夫が出張で日本に来た時に出逢って、結婚に至ったという話
お互いのちょっとした身の上話に花が咲きました。
その後、会話の流れで、私がインターネット広告業界でマーケティングをしていた話になると、
オジちゃんは後部座席の私を振り返って、
「本当に?
僕もマーケティング業界にいたんだよーー!」
と、さらに、大盛り上がり。
実は、このオジちゃん、元々バリバリのビジネスマンだったのだ。
現在65歳の彼は、カリフォルニアでマーケティング会社を経営していて、50代後半の時、その会社を売却し、今はリタイヤしてコロラドに住んでいるのだそう。
オジちゃん、日本や韓国を中心としたアジア圏で人気の化粧品のマーケティングも担当したことがあるらしく、マーケティングの話でもひとしきり盛り上がった。
元会社社長のUberドライバーさんだったのだ。
正直、驚いた。
現在は、24歳歳下の奥さんと7歳の息子さんを子育て中だそうだ。
これまた驚いた。けれど、何歳であってもお父さんになることはできるし、考えてみれば父親になることに年齢制限なんてない。
周りの目や常識に囚われるのではなく、その人にとってベストなタイミングで、物事を選んでいいんだよね。
そう思わせてもらった。
仕事の第一線から退いている今、お子さんの成長を毎日そばで見守れることが、とても幸せなのだと話していた。
そして、時間がある時には、Uberのドライバーとして車を走らせているのだそう。
街をドライブしながら、新しい人と出会って会話をし、いろんな人の人生に触れることができるんだよ、こんな楽しいことある?と。
Uberのドライバーをすることを、
「街をドライブ&出会い=最高に楽しい」と捉えているのが斬新すぎた。
実際、Uberドライバーとして出会って、仲良くなって、飲みに行く仲間になった人もいるのだそう。笑
アメリカにいると、私の想像を越えた、いろんな生き方や、物事の捉え方に出会えて、面白い。
そして、そう言う人に出会うたび、
私の中にやんわりはびこっていた常識や、先入観、固定概念やらが壊されて、自由になれる気がするのだ。
ショッピングモールに到着すると、オジちゃんは最高の笑顔で見送ってくれた。
車を降りると、爽やかな余韻に包まれた。
今のは、ただの移動ではなく、
最高に楽しい「ドライブ」で、記憶に残る一つの「出会い」だった。
今までで、一番思い出に残るUberライドでした。
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