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《 チャリティ小説 》
物語の力をどこまでも信じて、
自分にできることを探しつづけて、
想いを乗せて届けてくれる作品が、
だいすきです。
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2024年元旦、能登半島を襲った大地震によって多くの人が傷つけられました。
残念ながら、小説を読むだけでは暖を取ることも、おなかを満たすこともできません。
ですが、いつか、魂を励まし、心に寄り添える力が物語には宿っていると信じています。
さて、奥能登地域の農家では、古くから稲作を守る“田の神様”を祀り、感謝をささげる「あえのこと」という儀礼が行われてきました。
「あえ=おもてなし」、「こと=祭り」をあらわします。
物語によるおもてなし「あえのがたり」のために集まったのは、今、もっとも新作を待たれている10人の小説家。
10人の作家による、1万字のおもてなし。
ぜひご堪能ください。
【 チャリティ小説 】
とてもとても良い。買います。
自分にできることや与える影響まで、
さまざまな考えと葛藤がありながらも
すっごくプラスの良い意味で
色々な人を巻き込んで
色々な人の想いや希望を宿して誕生する
『あえのがたり』。
これから必要としている方々に
静かに確かに届いていくであろうこの小説に、とにかく心があたたまった。
それにね、うれしいのがね、
こういった想いのもとに最前線の方々が集まってくれる心強さ。もうね、この現実がうれしくてたまらない。
想いをもった方々が集結してこうして形になりもうすぐ発売する。この飛び込んできたニュースそのものに心熱くなり勇気付けられていた。
小説ができるひとつの可能性を示してもらえて大変うれしくなった。
小説の力はおおきいもんね。
その力を信じて、各所の大人たちが力を合わせて、想いを繋いで繋いで、こうしてすばらしいものが出来上がったんだもの。
食べる人によって、栄養価やカロリーの変化は生まれないけれど、物語はちがう。
同じ物語でも、目に見えないところで届くエネルギーは人それぞれ。
暖を取ることも、おなかを満たすこともできなくても、活字を追っている時のあの穏やかな時間に高揚感、想像を広げて世界観に没入できてしまう贅沢感、体も心も感情もまるごと預けて物語を見届けながらどんどん味わっていく、さまざまな感情。
勇気付けられ励まされ感情を動かされ、
痛みも悲しみも愛もいろいろなものがぎゅっと詰まっている、受け取る人によって与える影響が違う、それこそが物語の良さであり、面白いところであり、醍醐味であり、あらゆる食材をかき集めても代替え品など見つけられない、最高の娯楽品なのだと思っています。
脱線しましたが、
大人の本気って、わたしはとても好きなので。
この素敵な輪に混ざりたいので。
『あえのがたり』を書店で購入しようと思う。
その一部が能登半島の復興支援のための資金として、ほんとうに必要としている方々のために届けられる生きたお金として動かしてもらえることをうれしく思う。
遠くにいて何もできないけれど、大好きな本を買うことがひとつの支援の一部になれる。
こんな素敵なお買い物をしたいわ。
今日よりあしたが、すこしでもあかるい日になることを願って。
そんなことを思いながら『あえのがたり』を買いに行こう。
さて、今回の発起人
加藤シゲアキさんについて、すこしばかし。
シゲはね、
色メガネなしで、とてもすばらしい作家さんです。
アイドル全般にそんなにハマるタイプでもなかったので、作品を読んでからその存在を強く認識するようになりました。
そして、一作ずつ自分の殻を破って"進化"していくその姿に魅了され、どんどん魅力が更新される、作家・加藤シゲアキを心から応援するようになりました。
高校生を主人公に青春群像劇を描いた『オルタネート』に寄せたコメントで、
吉田大助さんが言っていた言葉がぱあっと思い出された。
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" 文芸シーンの最前線へと躍り出る、完全なる最高傑作 "
うんうん。
それに、またも更新されましたね。
文芸シーンから、出版業界の最前線、にね。
それと、
この『オルタネート』が直木賞候補にあがるも残念ながら落選となった際の北方謙三さんの言葉も同時に思い出された。
決選投票の前に加藤シゲアキに直木賞を受賞させようという機運が選考委員の中にあって、私もその一人でしたが、やはり『もう一作ぐらい待ってみよう』と。とっても惜しかったと思います。
どんどんあたらしいシゲを見たくなる欲が生まれるんだよね。あと、シゲの成長スピード、加速具合もしっかり見抜いてその上でこの言葉を、と思ってました。
この作家の成長をもっと見たい、
この作家はまだまだこれからどんどん進化していく、と思わせる輪郭がすでにあって、だからこその言葉に感じられていました。
期待と希望がおおいにふくらみ、
さらに、きっとやり遂げてくれるだろうと思える不思議な安心感。
北方さんが信頼を寄せているのがよく伝わってきていました。
加藤さんには今後、小説の細部にこだわるのではなく、表現を突き抜けて、深いところにドーンと入っていくような小説を書いてほしい。私はそう切望しました。
あとね、
伊集院静さんの言葉もとても素敵でした。
『オルタネート』が
吉川英治文学新人賞を受賞した際の選評です。
文章の抑制もきいていて新人らしからぬバランスの良さがあった。そして何より私が、この作家の資質のひとつと思ったのは各章のそこかしこに光彩を感じることだった。光を感じる小説をひさしぶりに読ませてもらった。そのようなストーリーテールとは別の、何か(原文傍点)を感じ取れる小説、作家にはおそらく天賦のものがあるのだろう。
.
" 本作は、普段あまり本を読まない高校生にも小説の楽しさを知ってほしいと思って書きました "
『オルタネート』は、とってもおもしろいので、本に抵抗がある方でもすっかり楽しめると思うので、作者が込めた願いを物語をとおして感じ取れる経験をしてほしいです。
本の世界って、とてもすてきな場所だよ、って手招きして声をかけてあげたいので。
書店の中でなんの本を読もうか迷っているティーンに教えてあげたい作品です。
読書の原体験って、のちのちにとても影響する貴重なものなので、もし『オルタネート』がファーストブックとなったら、なんだかとてもうらやましい経験に感じてしまうわ。ふふ
.
誰かのために小説を書くことが、僕自身の成長にもつながる予感がしました。
また加藤は、チャリティー小説を書くことに関して「僕自身が寄付をすれば済む話かもしれなかった」としつつ、「けど、そうではなくて、産業とかそういった部分、企業の方とか、働く仕事という部分で何か力になりたいと思ったんですよね」と語る。「それは自分にしかできないものという部分で、僕はまずはチャリティー小説という形で、日本中にこの本が並んで、買ってくださり、読んでくだされば能登に寄付されるということが、僕自身の中で、書店という産業を含めて盛り上げることができるのかなという、実験的な部分も含めて相談させてもらったのが始まりです」と口にした。
やっぱり、
シゲって人としての魅力度が高くて、
アイドルをしていなくても
人として輝いている存在だったと思う。
p.s
『なれのはて』が直木賞を逃してしまったことは大変残念ではありましたが、
今作の『あえのがたり』が生まれるキッカケであったことを思うと、なんだか小説の神さまが
もしいるならシゲの魅力をもっと引っ張りだそうと欲張りさんになっちゃったのかな、なんておもいました。
いつだって自分にできることを最大限考えて考えて、それを形にしていく実行力。
そんな人のもとに寄り添った9人の作家さん。
いくつもの思いをのせた小説が、
力をくれる小説が、
必要としている人に届くことを願って。
本書をきっかけに能登半島に目を向ける
この輪がどこまでも大きくなり、
日本中の皆が関心を寄せて、まなざしを向けて、みんなで応援して...
でっかい元気玉小説ムーブを後押しするひとつの手になれたら、うれしい。
そして、能登半島で起こったこと、今なお苦しみを抱えながら生活を送っている方がいることを忘れないでいるためにも、本書に光があたり続けてほしいな、とおもいました。
まずば、『あえのがたり』を書店で買う。
そして、10人の作家さんによる物語のおもてなしをじっくり堪能させてもらう。
ちいさな、ささやかな行動をおこす。
そんな自分にできることをわたしも一緒に始めてみたい気持ちでいっぱいになりました。