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【ホットスポット】バカリズムの世界【侵入者たちの晩餐・黒い十人の女】
バカリズム原作の新しいドラマが始まった。
「ホットスポット」だ。
バカリズム脚本作品はそんなに多くないのだろうと、大変勝手ながら適当に調べ始めたのだが、実はとても多い。
「架空OL日記」「ブラッシュアップライフ」「侵入者たちの晩餐」だけでなく、「ウェディング・ハイ」「地獄の花園」「素敵な選TAXI」「黒い十人の女」など、意外と昔から脚本業をしていたことがわかる。
その時その時で話題になっていたはずなのに、すっかり記憶から抜けてしまっていた。今回、「ホットスポット」が面白かったので、見かけて途中になっていた「侵入者たちの晩餐」「黒い十人の女」を見終えたので、その感想についてまとめたい。
「侵入者たちの晩餐」。特別番組で放送された、長編ドラマだ。家事代行会社に勤める女性(菊地凛子)が同僚(平岩紙)とその友達(吉田羊)と3人で、脱税していると噂の家事代行会社の社長(白石麻衣)の家にタンス預金を狙って空き巣に入る。
「黒い十人の女」。テレビ局の受付嬢(成海璃子)がテレビ局の中年プロデューサー(船越英一郎)と不倫を始める。しかし、実は他に8人の愛人がいることを知る。つまり、中年Pは10股していたのだ。だんだん10人について情報が明らかになり、恋敵を蹴落としながら、仲良くなっていく。水野美樹が大変いい味を出している。ここまで彼女を良い役者だと思ったことはない。非常にハマり役だった。
「侵入者たちの晩餐」も「黒い十人の女」も、タイトルがとても怖いので警戒しながら見ていた。
「侵入者たちの晩餐」は特にそうだ。特に、軽い決意で空き巣をしようとする様子が受け付けず、話の内容が落ち着くまでとても怖かった。
だが、この二つを見て確信した。バカリズムが脚本を手がけた作品は、ちゃんとコメディだ。深刻にはならない。それは保証される。
そして、バカリズムの脚本のここ最近の傾向が見えてきた。
「架空OL日記」の頃にはあまり気にならなかったことだ。
「ウェディング・ハイ」「侵入者たちの晩餐」「黒い十人の女」「ブラッシュアップライフ」では、最後に意外な人物が出てきて、大どんでん返しがある。
ここのどんでん返しを楽しみに作品を見ている人も多いのではないだろうか。
ここの大きな裏切り方がとても面白い。「この人ってこんなこと考えてたの!?」とか「この人の視点の話も観れるの!?」とか裏切りがとても多い。バカリズムはとてもサービス精神が旺盛だ。サプライズとかフラッシュモブとかそういうのは嫌いそうなのに。する方はいいのか。
バカリズムの脚本は、セリフの端々や、演出の端々からバカリズムの影を感じる。
ミニコーナーを挟んでみたり、妙に現実的なモノローグを挟んでみたり。そして何より、いかにもバカリズムがライブで言っていそうな内容のセリフだ。セリフにバカリズムの影を感じるとニンマリしてしまう。
「ホットスポット」での大どんでん返しを楽しみに今後も視聴を重ねていきたい。