梵天奉納
1月17日
この日は、毎年、秋田市大平山三吉神社の梵天祭が行われる日です。
今年は、残念ながらお祭りとしては行わずに、神事である奉納行事として無観客で行われました。
中止を決定するお祭りがたくさんある中、こういう時だからこそ、奉納という祈りを神に捧げる行事を大切にしたいという、神社の強い想いもあって、実現しました。
普段とは違う雰囲気で、通常なら決して、楽に歩いては通れない参道をみんなでゆっくりと歩き、鳥居の前では記念撮影をすることができました。
喧嘩梵天として大暴れできないのであれば、と参加を見送った町内もたくさんあった中で、うちらは、今年しかできないことを精いっぱいやって楽しもうと、全員おそろいのマスクを作製し、身に付けました。
お祭りというのは1人では行うことができません。
この神社に梵天という依り代を運んでくるためには、地域の人たちの協力があってできています。
奉加(寄付)という形でお金で協力してくれる人。
梵天行事のために、手伝いとして参加してくれる人。
お祭り当日のために、仕事を休んでまで毎年参加してくれる人。
梵天行事に参加してくれる他の町内の皆さん。
梵天祭りを見に来てくれる観客の皆さん。
その様子を毎年取材してくれるテレビ局や新聞記者などのメディアの皆さん。
この神事のために、様々なことを取り仕切って祈りを捧げてくださっている神主さんを始めとする神社の皆さん。
僕らが梵天行事に参加することを了承してくれる家族や職場の皆さん。
三吉梵天節や、ほら貝の吹き方、梵天の持ち方などを教えてくれる父親世代の先輩方。
江戸時代から続くこの行事を絶やさずに受け継いできてくれた、先人たち。
すべてのお祭りは、多くの人の協力があって初めて成り立っています。
そして、ひとつの行事を毎年継続していくことで、毎年、絆がひとつずつ生まれていくのです。
その一つ一つの絆と思い出が、歴史を刻んでいきます。
一つ一つは小さなことだけれど、その積み重ねの大きさは偉大です。
こうして行事ができたことを感謝するとともに、こういう年が何年か続いてしまうと、お祭りそのものの存続が危うくなってしまうことを危惧しています。
みんなで協力していくためには1年1年の積み重ねがとても大切だと思うのです。
途絶えたものをまた始めるのはとても大変です。
疫病退散。
僕が退散させたいのは、病原菌そのものというよりも、社会の疫病です。
人の心に巣食う鬼みたいなものです。
今起きていることの一番の問題は、人が作り出す社会の闇です。
歪んだ社会が是正されて、みんなが助け合って、自然に生きることを壊さない世の中でありますように。
ここで生まれて、ここで暮らす人々のつながりをいつまでも大切にして行けますように。
梵天行事を毎年継続していけますように。
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