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私と母と生と死と。

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母の一回忌

母の一回忌

お骨をおさめたお寺に来ている。
今年は自分のために多くの時間を使えていて、これまで後回しにしてきたことたちに比較的向き合えている。
ここ数年で身近な存在が亡くなったり離れたりと次々近くからいなくなっているけど、案外寂しさに打ちひしがれたりすることもないんだなと感じている。
平穏に楽しく過ごせている。
不安は現実でない時の方が大きく力を持っているとつくづく思う。
孤独が現実となった今、思ってたよりも

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弔い

弔い

母が暮らしていた形跡をなくしていく作業もやっと終わりが見えた。
そんな今日はたまたまやけど1回目の月命日。早い。
ちょっと膨らみかけの半月を窓から見て看取った日の夕方を思い出した。
あの日はきれいな半月だった。
早々に仏壇も手放して四十九日の法事もするつもりもないけど、この作業を自分の手でやることが自分なりの弔い方な気がする。
めんどくせーって何回も言うたけど笑
窓が多くてよく風が抜ける部屋なのに

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看取りの準備

看取りの準備

三日月を眺めながら自転車をこいだ。
母の命の終わりが近づいていることを主治医から伝えられ、自分の目でもそれを感じた6月の初め。
それから1週間ほどで満月の日があって、その満月が三日月になるほどの時間、母の身体は痛みや苦しみと闘ってきたのだと思った。
本当にろうそくがどんどん短くなるかのように時間を追う毎に母の身体は目に見えて消耗していった。
今、母は何を思うのか。
今日はそれすらも聞き出せないほど

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母を看取った日

母を看取った日

前回の投稿が6月26日。
あっという間に2週間近く経とうとしている。
あれから2日後の6月28日に母を看取った。
その前日の27日に病院から電話があり、その夜は付き添うことにした。
意識はあるのかないのかわからないけどたまに手や頭を動かす。
経皮的動脈血酸素飽和度は90%前後で呼吸は前日よりもしんどそうな様子で身体の力を使い果たそうとしているのをただ見守るしかなかった。
40代後半くらいから高血圧

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