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そっちの胞子

窓口で引き渡されたのは、奉仕活動をやっていない方の胞子だった。

「あの・・奉仕活動をやっている方の胞子でとお願いしたはずですなんですけど」

そう問いかけると、受付のお姉さんは深々と頭を下げた。

「申し訳ございません。只今奉仕活動を行なっている胞子は数少ないのです。どうか、今日のところはこの胞子で・・。お引き取りくださいませ」

そう言われたら、どう反論しようもない。
仕方なく、僕は奉仕活動をやっていない方の胞子を抱え、市役所を出た。


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