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あつめて

リスに頬袋を奪い取られた彼は、怒りの沸点が上昇したのか、頬が膨れ上がったリスの尻尾を掴んで振り回した。

あんたはもう十分に袋を持ってるだろ!
いいえ、まだ足りないのです。

リスは臆することもなく淡々と答えた。
そして彼の手からぬるりと抜け出すと、いかにも不健康そうな通行人からまたもや頬袋を奪いとるのだった。

リスはその者から奪った頬袋をつけてみたけれど、すぐに寒気がしてきた。

いかん。もっと健康そうな人のにするべきだった。

そう気づくのがもうちょっと早ければ、リスは助かったかもしれない。
三人分の頬袋を持つリスは、その場で倒れたまま目を覚まさなかった。


photo / tale : coaqua

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