【44】 ゴールを設定し、意図的に秩序を壊す
私たちのマインドは、秩序を求め、維持しようとします。
マインドにとっての秩序とは、無意識にあるリアリティ、自己イメージと、実際の世界や自分の姿が一致していることです。
ゴールを設定していないときには、目の前の世界は無意識にあるリアリティと一致しており、秩序が維持されています。
現状の外にゴールを設定することは、マインドの中のイメージと目の前の世界との間に矛盾を生じさせ、マインドの秩序を意図的に壊すことを意味しています。
リアリティと目の前の世界が一致していなければ、認知的不協和が生じます。
そして、創造的無意識は秩序を回復すべく、エネルギーと創造性を発揮します。
ただし、マインドにとっては、目の前の世界を変化させて現状の外に設定したゴールの世界と一致させることと、ゴールを諦めて無意識のリアリティを目の前の世界に戻してしまうことに違いはありません。
マインドにとっては、内側の世界と外側の世界が一致していればいいのです。
そのため、創造的無意識が生み出したエネルギーは、現状をゴールの方へ変化させる方向と、ゴールを現状に戻してしまう方向のどちらにも使われる可能性があります。
このとき、どちらの方向にエネルギーが使われるかは、目の前の現状とゴールの世界のどちらの臨場感が強いかによって決まります。
つまり、本人にとってリアルな世界、当然だと思う世界を実現する方向にエネルギーが使われます。
たとえば、年収300万円の人が、「年収を1桁増やし、3000万円にする」というゴールを設定したとしましょう。
すると、マインドの中にある年収3000万円の世界と、目の前の年収300万円の現実とのギャップが認知的不協和を生み出します。
この状態にあるとき、ストレスやフラストレーションを感じます。
このフラストレーションが創造的無意識が生み出すエネルギーの体感です。
もし、年収3000万円を稼いでいるイメージの臨場感が目の前の現実より十分に高くなければ、「やっぱり自分には無理だ…」と思い、ゴールを諦めてしまうでしょう。
反対に、年収3000万円を稼いでいる自分が本来の自分だという臨場感を高く維持することができれば、そのための方法を発見し、選択と行動を繰り返すことで、達成していくことができるでしょう。
このときに、ゴールを達成した世界のリアリティや自己イメージの臨場感を高めるツールがアファメーションであり、ヴィジュアリゼーションです。
アファメーションやヴィジュアリゼーションを繰り返し繰り返し行うことで、無意識の自己イメージが、現状ではなくゴールを達成したときの自分の姿に置き換わります。
その自己イメージの臨場感を日々強化していくことで、現状よりもゴールの世界の臨場感が高くなり、創造的無意識は現状をゴール側に修正することで秩序を回復しようとします。
ゴール設定とは、意図的に目の前の世界とは異なる理想のイメージをマインドの中につくることです。
そして、マインドの内側のイメージの臨場感を高め、そのイメージに合わせて外側の世界を修正していくことが、「ゴールを実現する」ことのプロセスなのです。
ワーク
仕事、趣味、生涯学習などの人生における分野から1つ選び、現状では実現できないゴールを設定してみましょう。
現状の外にゴールを設定すると、本当にやりたいことであっても、目の前の現実とのズレによって違和感を感じます。
その上で、目を閉じてリラックスし、「ゴールを実現した世界では、自分はどのような人間になっているのか、生活や周囲の様子はどうなっているのか」を五感を使って想像し、体感してみてください。