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【4】 重要なものだけが通り抜ける

私たちは、自分にとって重要なものだけを知覚しています。それ以外の情報はスコトマとなるため知覚できません。
「自分にとって重要なもの」とは、具体的には、自分にとって価値のあるものと危険なものです。
自分にとって価値のあるものと危険なものを知覚させ、それ以外の情報をスコトマにするメカニズムがRAS(Reticular Activating System)です。
RASは脳にあるフィルターシステムのようなものです。

RASのおかげで、私たちは自分にとって大切な情報を大量の情報のなかから取り出すことができます。
たとえば、電車のなかで友人と話しているときには、電車の騒音や周囲の人の話し声も大きいはずですが、ちゃんと友人の声を聞き取ることができます。
これは、自分にとって重要な友人の声だけがRASを通り抜け、それ以外の音をRASのフィルターが除外したためです。

RASは意識していなくても常に働いており、自分にとって重要な情報を選別してくれています。
自分にとって何が重要な情報であるかは、主に過去の記憶、特に情動記憶によって決められています。
しかし、新たなゴールが設定されると、そのゴールに関連する情報もRASを通り抜けるようになります。

これは私の例ですが、趣味でコーヒーを自分で淹れるようになった時、「専門店のような美味しいコーヒーを入れられるようになる」というゴールを設定しました。
すると、道を歩いていても、喫茶店やコーヒー豆の販売店が目に入るようになったり、コーヒーの香りによく気づくようになるといったことが起こりました。
これはゴール設定によってコーヒーに関連した情報への重要度が上がり、RASを通り抜けるようになったためです。

RASの機能をよく理解し、体感していくことが、上手なマインドの使い方の鍵となってきます。


ワーク
人が集まる場所で、それぞれの人が何を話しているかを聞きとろうとしてみましょう。
具体的に、話している内容を聞き取れなくて構いません。
「聞き取ろう」と注意を向けたときに、聞こえ方がどのように変化するのかを感じてみてください。

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