【36】 ゴールは現状の外に設定する
コーチングにおけるゴール設定には「want-toのゴールを設定する」「現状の外に設定する」「バランスよく設定する」という3つのルールがあります。
今回は「現状の外に設定すること」について説明します。
ここでいう「現状」には、単に現在の状態だけでなく、現状の延長線上にある未来の状態も含まれます。
たとえば、スポーツで言えば、現在のレベルだけでなく、現在の練習を続けていればいずれ到達できるレベルも現状に含まれるということです。
会社でいえば、現在の年収やポジションだけでなく、現在のやり方で仕事を続けていれば到達できる年収やポジションが現状の延長線上です。
では「現状の外」とは何でしょうか?
それは、現在の自己イメージ(自分はこういう人間だという信念)やリアリティ(現実はこういうものだという信念)を変えなければ絶対に到達できない未来の状態です。
言い換えれば、現在のコンフォート・ゾーンを維持していたら達成できない未来のことです。
それでは、なぜゴールを現状の外に設定する必要があるのでしょうか?
現状の延長線上にゴールを設定してしまうと、無意識は現在の自己イメージやリアリティをより強固にし、スコトマを強めます。
その結果、今とは違う状態を望んでゴールを設定したはずなのに、現状の中に閉じ込められてしまうのです。
「現状」を続けていれば達成できそうなゴールを設定すると、マインドは「このままでいい」と判断し、エネルギーも創造性も発揮しません。
現状を続けていても達成できないほど高いゴールを設定することで、マインド本来の可能性を引き出し、エネルギーと創造性を生み出すことができます。
ゴールが現状の外であることの一つの基準は、ゴールを設定した時点ではその達成方法がわからないことです。
ゴールを設定した時点では、達成する方法がわからなくても問題ありません。
ゴールを達成する方法は、マインドが見つけてくれます。
現状の外にwant-toのゴールを設定することで、視点が高くなってスコトマが外れ、今まで見えなかったことが見えるようになるからです。
自分の「現状」を把握し、その延長線上にはない高いゴールを設定していきましょう。
ワーク
自分の「現状」について少し考えてみましょう。
仕事や趣味、健康など自分の様々な要素について、現在の状態を観察してみてください。
その現在の状態を維持したとき、1年後、5年後、10年後に起こりうる最善の未来を想定してください。
「現状の外のゴール」は、その最善の未来を超えたところにあります。