どうしても捨てられない13年分のジャンプ
もともと私は、ものを捨てられない人だった。もう絶対に着ない服も、一時のテンションで回したガチャガチャの景品も、特に思い入れのないブランドのショッパーも、何もかも捨てられなかった。
しかしそんな私も、一人暮らしを初めて限られた収納でやりくりする必要が出始めてからはかなりものを処分できるようになったと思う。
収納を圧迫する段ボールやショッパーは何の躊躇いもなく捨てられるようになったし、着なくなった服も捨てたり売ったりできるようになった。郵便物も、その場で開封して必要なさそうならすぐ捨てられるようになった。
しかしいまだに、一つだけ捨てられないものがある。週刊少年ジャンプだ。
週刊少年ジャンプは、アニメ版の銀魂にはまったのをきっかけに、小学校5年生の頃から買い続けている。
買い始めた頃は、車がないとコンビニにも行けないような田舎に住んでいたから土曜日発売があると1号分買い逃してしまうこともあったけど、父と契約して父のお手伝いをする代わりに発売日にジャンプを買ってきてもらえるようになってからは毎週読めるようになった。
それ以来、24歳の今に至るまで毎週欠かさず買い続けている。単純計算で13年分のジャンプを買ったことになるけれど、全然ジャンプを捨てることができない。家族の誰かが私に気づかれないようにこっそり捨ててさえいなければ、今も13年分のジャンプを所有していることになる。
ジャンプが捨てられないせいで、つい最近には、3年分のジャンプが押入れから溢れ出し、6畳の空間に10本のジャンプタワーが乱立する状況に陥ってしまった。2週間くらいそのまま放置してしまっていて、その間はジャンプタワーの隙間で生活するような、QOL下がりまくりの日々を過ごしていた。
さすがに捨てるか捨てまいか迷ったのだけど、結局そんな状態でも捨てることができなかった。仕方ないので、はみ出してしまった分のジャンプを段ボールに押し込めて実家に送った。新宿高野の3,000円分のチョコと一緒に。
ここまでくるともう二度と捨てられないんじゃないかという気分になってくるが、実際私はいつまでジャンプを捨てられないんだろうか。おばあちゃんになるまで捨てられなかったらどうしよう。
でも意外と、急に興味を無くしてジャンプを買わなくなって捨てるっていうのが一番有力な気がする。学生の頃働いていたお店の店長も、死ぬまでジャンプを買うつもりでいたのに、「いぬまるだしっ」が連載終了したのをきっかけに興味を無くして買わなくなったと言っていたし。
いつか自然と飽きてしまうことを考えたら、今無理をして捨てなくてもいいのかなとも思う。捨てるのは一瞬なのだから。
実家のジャンプ置き場がいっぱいになるのと、私がジャンプに飽きるの、どちらが先か見ものだ。