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人間関係を大切にするために無理して自分の気持ちを抑え込む必要はない
「人間関係を大切にする」と聞くと「周りの人を大切にすること」だと感じる人は少なくないと思います。
「周りを大切にする」と聞くと、すごく素敵なことのように感じられますし、私自身、そういう人との関わりが素敵なことだと思います。
一人ひとり、それぞれの形で人間関係を大切にしていると思いますが、その反面、悩みの多くが人間関係でもあります。
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では、なぜ、自分なりの形で周りを大切にしているのに人との関わりが悩みに繋がってしまうかというと、
その人間関係を大切にする人の中に「自分」を入れるのを忘れてしまいがちなことが多いからとも考えられます。
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昭和の時代では、自分の意思よりも周りに合わせることが優先的でした。
当時は、それが必要な時代でもあり、誰もが当たり前の感覚でもあったため、無意識に、自分の意思を押し殺して周りを優先させることが多かったのは現実としてありました。
その「自分を押し殺してでも周りに合わせる」という感覚が、私は、今でも続いていると考えます。
時代が進んでもその感覚だけが変わらないのは「それ以外の考え方を知らないから」とも考えられます。
「自分を大切にすることが大事」という考え方は広まっても、自分を大切にする考え方、視点、方法なども含めて、今までの当たり前とは違う角度からものごとを見る機会が少ないため、昔からの価値観がアップデートされていないということです。
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価値観がアップデートされていないとはどういうことかというと、
例え話として、
東北地方のお話をします。
東北は、冬に雪が多く積もる地域でもあるため、冬には毎年必ず車のタイヤを夏タイヤから冬タイヤに履き替えます。
春が近づいてくると、冬タイヤから夏タイヤに戻しますが、それは、だいたい3月中旬から下旬に変える人がほとんどです。
そんな、ある年、全くといって良いほど雪が積もらない年がありました。
そこで、そこに住む A さんは、2月の上旬に早々に夏タイヤに交換することにしました。一人でタイヤ交換をすることができない A さんは、ガソリンスタンドに行ってお願いしました。
しかし、そのガソリンスタンドで店員さんに「まだ、雪が降ると思いますよ?」と言われました。
それを言われた A さんは「余計なお世話です」と、怒りました。
このやりとりを聞くと、
「せっかく店員さんが心配して聞いてくれたのに怒ることはない」
「優しさで言ってくれたんだから「大丈夫ですよ」とかで返せばいいのに」
「この時期に変えるって聞いたら誰でも大丈夫なのかと思って当然のこと」と、思う人が多いと思います。
相手の優しさに対して酷いことをしている出来事とも感じられるかもしれません。
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今回は、より一層、多種多様にものごとを見るために、今の出来事を、今までとは違う視点で見てみましょう。
この内容をシンプルに言い換えると、
A さんは「自分がやろうとしたことに対して、初めて会った他人にいきなり口を出されて不快に感じた」
という内容なんです。
実際は、本人がいいのであればいいはずの出来事です。
そこに、他人が口を出すからややこしくなったことでもあります。
今までの見方からすると、
「それでも、相手は親切で言ってくれたんだろうから、
その気持ちを考えてあげないのは酷い」と思う人もいるかもしれません。
私は、この「相手の優しさは受け取ってあげるのが当たり前」という価値観が本質に目を向けることを惑わせていると思っています。
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しかし、このやり取りだけではガソリンスタンドの店員さんが優しさで言ってくれたと受け取るかしれませんが、ここには、続きがあります。
店員さん「まだ、雪が降ると思いますよ?」
A さん「余計なお世話です」
店員さん「すみません。私が不安だったもので」
A さん「私が交換してほしいと言っているんだから、確認する必要があるんですか?」
店員さん「前に、同じように早めに夏タイヤに交換しようとした人に「まだ、3月の前半に降る時がありますよ」とお伝えしたら「知らなかったです。交換するのをやめます」と言っていたことがあったので」
というやり取りがありました。
ここで、客観性を高めていくと、
店員さんは「私(自分)が不安になるから」と言っています。
であれば、この心配は A さんのためではなく、自分が安心するためということにもなります。
これを、さらに、違う角度から見ると、
初めて会った人に、店員さん自身が不安に感じること自体がおかしいという視点でもみれます。
万が一、雪が降って車を運転できなくなって困ったとしても、交換をお願いされた店員が責任を取ることではありません。それなのに、自分が不安を感じるということは、普段から、相手のやることに自分自身を投影するクセが強いことが分かります。
そのほかに、
「他の人には言って良かった」というのは、過去に成功体験があるということです。
前回、自分が言ったことで、相手が困らなくてすんだから、言って良かったという喜びを感じたとします。
その後、同じ状況になった時に、前回は良かったので、今回も同じことを言ったのかもしれませんが、今回の A さんの場合は、雪が降ってくることを想定していたため、前回とは違う結果になってしまいました。
実は、これは、子どもの発想になっているのです。
子どもは、一回やって褒めてもらうと嬉しくて、次も同じようにしたら、今度はタイミングや状況を間違えて逆に怒られるなどということがあります。
この視点で見ると、一概に「相手が声をかけた=優しさ」ではないという見方もできます。
本来、相手の優しさは、
受け取る人が「嬉しい」と感じた時に、結果として「優しさ」になります。
しかし、
受け取る人が「不快」に感じた場合、結果は「余計なお世話」になります。
同じことをしても、受け取る相手次第で、全く変わるということです。
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そして、表面上だけのお話では、なぜ、A さんが怒ったのかまで理解することは難しいので、視点を A さんに変えてみます。
今回の A さんの考えでは、
雪が降ったら車に乗らなければ良いという前提でいました。
その他にも、A さんの背景には、
子どもの頃から周りの大人達にガチガチな考え方を押し付けられてばかりの環境だったので、大人になって、やっと、他人の型にハメられずに自分が良いと思う考えで生きられると、自分らしく行動している時でもありました。
そこに、初めて会った店員さんにいきなり口を出されたことで、過去の経験が甦り、拒絶反応のように怒りに変わったものでもありました。
もちろん、A さんにそういった背景があることは店員さんは知りません。
だからこそ、相手のやることに口を出すのであれば、気をつけなければいけないということです。
そして、他人のことに口を出すからには、言った人にも責任が伴うことも忘れてはいけません。
A さんに限らず、人の人生は、十人十色です。
一人ひとり、それぞれで色んな背景を抱えながら今に至っているので、どんなことを嬉しく感じるか、どんなことを不快に感じるかは人によって違います。
それなのに、感じ方が自分と同じじゃないというだけで否定されたり、どんな時にどう感じるかまで他人に言われることが未だにあります。
それ以上に、人の優しさに感謝しない人に対して「こういうのはありがたく受け取るものなんだ」と、感謝することを強要する人もいます。
正直、感謝するかどうかは自分が決めることです。
さらに、ここに「私だって今まで我慢して周りに合わせてきたんだから」という想いが強くある人は、特に、他人を自分と同じように感じさせようとしてややこしくなることも少なくありません。
これは、本来、一人ひとり個性を持っている人達が、無理に周りに合わせようとする考え方に限界が来たとも感じられます。
私自信、周りと同じタイミングで同じように感じないと否定される人との関わりに息苦しさを感じます。
そんな私が考える、自分らしさを解放させるための視点としては、
「周りがどう思うかよりも、自分のポリシーを貫くこと」です。
ここでいうポリシーとは「自分はどんな生き方がしたいか」です。
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私は、
「自分が良いと思う生き方をした結果、それが誰かの役に立っていたならそれは良かった」
お互いが、その気持ちのやりとりをするだけで良いと思っています。
そこに、感謝したい人はする、感謝できない人は無理してしない、イヤだと思う人はイヤだと言う、そのくらいシンプルな感覚でいると、今回の A さんの内容を聞いても「そう思う人もいるんだな」程度のことだと思います。
もしかしたら、A さんの件でも、
店員さんが自分のポリシーで声をかけた場合、
「自分が声をかけなかったことでお客さんが困るのはイヤなので」
などと言っていたら、
A さんも、その時に、
やっと、店員さんの気持ちを優しさと受け止めて感謝したかもしれません。
相手の気持ちに自分の対応の冷たさを少しは反省したかもしれません。
実際は分かりませんが・・・
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しかも、無理に相手の気持ちを汲もうとすると、良いことだけではなく、イヤな気持ちまで汲んでしまうこともあります。
そのため、無意識に、相手の辛さを自分の辛さかのように感じてしまい、感じなくてもいい感情で気持ちが揺さぶられて自分らしさを惑わされいることもあるかもしれません。
自分らしさは見失わないように、
その時に感じた自分の感覚を信じて、自分のポリシーを大切にしながら、そんな自分を大切にしてくれる人達との関わりを増やしていってほしいと思います。
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