竹田青嗣『哲学とは何か』を読む【第一章】
0.はじめに
竹田によれば、現代哲学は、主にポストモダン思想や相対主義者らによって、哲学の「本義」が見失われ、哲学の目指すべき「原理を探求する」という部分が全くもって相対化されてしまっている。
これは、20世紀中葉から後半にかけて、マルクス主義が味わった一連の挫折を機に止まることを知らない。マルクス主義がもたらした共産主義の挫折は、いわば「これこそが正しい認識だ」という主張に思想的抵抗をもたらすきっかけになったと言っていい。
なぜなら、このような「これこそが正しい認識だ」と