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複素数平面での回転移動の説明

こんにちは。今回は複素数平面での回転移動の説明です。

今まで座標平面上で平行移動、対称移動、回転移動をやったと思いますが、座標平面では回転移動はとても面倒であったことでしょう。しかし、複素数の性質と、角度+距離という表現のしかた(極形式)で回転移動を簡単に表すことができます。


三角比を参考にして図を描いてみると、

x = r cos⁡θ、y = r sin⁡θ

というような表現ができます。複素数平面では、y座標は虚部にあたるので該当する複素数は

z = r (cosθ+i sin⁡θ) 

と表現できます。rは絶対値、θは原点-zの直線と実軸の成す角です。これは直線を扱う時はとても面倒ですが、円を扱う時はとても有用です。この状態で複素数同士のかけ算を行うと、それぞれの複素数同士の偏角の足し算と絶対値のかけ算になるので、安易に回転移動の計算ができるようになります(割り算は偏角の引き算と絶対値の割り算で表されるのはこれを見て明らか)。

おそらくですが、今までやってきた複素数の計算でも、最も直感的で受け入れやすいのかなと思われます。特に、絶対値1の複素数を掛けるとただの回転移動になるので、逆に直交座標→複素数の計算と持ち込んで解答するのも楽になります。これは個人的感想ですが、回転移動をみたら複素数で表す→回転移動→もとに戻すという流れを組むのがよいのではないかと考えられます。


 さて、絶対値1の複素数の累乗についてですが、偏角を2乗なら2倍、3乗なら3倍…とするだけです。ド・モアブルの定理というのですが図形の中でもトップで直感的すぎるものです。これは累乗の式を展開して実部と虚部にわけると倍角の公式になるのであっさり理解ができると思います。また、そこから倍角の公式を導出できるので、忘れたら(例:3倍角の公式)使ってみるのをおすすめします。何なら積をなす複素数の偏角が違う場合でも、加法定理の式を安易につくって思い出すことができます(加法定理はみんな覚えていると思いますが)。


 このように、複素数平面での回転運動はとても簡単に表現ができます。次回は実際の図形を表します。よろしくお願いいたします。

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佐々木先生説明(修正版)

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