「楽聖と弦ーベートーヴェン弦楽器のための作品たち」(2021年3月)弦楽四重奏曲を中心に
ベートーヴェンの全ピアノソナタを解説した本は充実していても、弦楽作品とくに弦楽四重奏曲1-16番をすべて解説した本が少なく、満を持して出た解説書。うきうきして読みながら弦楽曲を鑑賞しています。
有名な7番のラズモフスキー以外にも、8番のラズモフスキー2楽章の響きが思いのほか美しいこと、10番のハープ第一楽章ピッツィカートがなかなか新鮮だったこと、13番の終楽章が、大フーガ作品133として単独で出版された経緯、14番全7楽章は一つの楽章として完結せず全曲が切れ目なく一つにつながるように書かれている事、15番は苦悩と祈り、光の指す未来へ楽聖らしい作品、16番終楽章の「表題」である「そうあらねばならぬのか?、そうあらねばならぬ」の意味についての筆者の憶測など、トリビアを知ることができ、大変面白く読めました。
現役のカルテット演奏家達の対談、特にどの曲がどういう点で好きかというお話は興味深かったです。
演奏は、今一番気になって愛聴しているエベーヌ弦楽四重奏団のアルバムを鑑賞しています。こんな感じの演奏です。 Quatuor Ébène – Beethoven: String Quartet No. 12 https://www.youtube.com/watch?v=IZfR3JzCV8I&t=1509s
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