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『少年籠城』 櫛木 理宇



無償の愛とは親から子ではなく、親に対して向かう子の想いだと本作で思い知らされた。

地方の温泉街の河原で次々と発見される子どもの惨殺死体。
殺人の容疑を掛けられた15歳の少年は無実を訴えるため、数人の人質を盾に子ども食堂に立てこもる。

育った環境が全てとは思わないが、こんな子ども達を形成したのは間違いなく腐りきった無責任な大人だろう。

「学校に行きたい」「勉強したい」
当たり前の事が叶わない子らの心中を想像すると胸が締め付けられる。

少年達の姿を通して、世に蔓延る児童虐待や性的搾取などの問題に鋭く切り込んだ社会派小説。




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