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『わたしたちは、海』カツセ マサヒコ



「徒波」
「海の街の十二歳」
「岬と珊瑚」
「氷塊、溶けて流れる」
「オーシャンズ」
「渦」
「鯨骨」
海辺の街を舞台にした7話収録の短編集。

カツセさんの文章は心地いい。

海辺の街が舞台だからと言うわけではなく、どの物語も波間にゆらゆらと揺られている感覚に陥る。

時に人の弱さや愚かさも描かれているが、それすらも静かに包み込み、流れに身を委ね生を営んでいる彼等に安心感を覚える。

波の音や子ども達の声、珈琲の香りまでが漂い五感を刺激する。
透明感と静けさ、カツセさんの描く世界観が堪らなく好き。

心が浄化される切なくて愛おしい作品集。





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sayuri
拙い記事を読んでくださってありがとうございます(*´▽︎`*)

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