『クスノキの女神』東野 圭吾
優しさに包まれるような物語だった。
クスノキに秘められた力以上に、人が人を想う愛情の深さに胸が一杯になる。
家計の足しにと詩集を売る女子高生の佑紀奈と、記憶障害のある少年・元哉。
二人が出逢った事で人生の歯車が動き出す。
クスノキの番人・玲斗の眼差しが温かい。
誰かの為に行動すること、誰かの為に祈ること、玲斗が身を持って教えてくれる。
ラストへ向かって哀しみが押し寄せて来たけれど、同時に温かな感情も込み上げた。
新月の夜の預念と満月の夜の受念。
未来より今。
クスノキの女神も微笑みながら、皆の今を優しく見守っているだろう。
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