『息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。』幡野 広志
今年読了した岸田奈美さんのエッセイで初めて幡野広志さんの存在を知った。
岸田さんの言葉もさることながら、写真家である幡野さんの言葉がとても印象に残ったので本書を手に取る。
2017年に多発性骨髄腫を患っている事を公表された幡野さん。
だが文章に悲壮感はなく、穏やかで時に軽妙な語り口は優しく心に届く。
エッセイと共に掲載されている写真は風景写真もあるけれど、日常のひとコマを切り取ったものには被写体を見つめる幡野さんの温かな眼差しが感じられ、胸が一杯になる。
どうか幸せな時間が長く続きますようにと祈りながら本を閉じた。
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