
『目には目を』新川 帆立

もし我が子が理不尽に命を奪われたら、私も本作に登場する母親のように復讐を考えるだろう。
当事者になった時、私刑は禁止だとか、そんなこと一切合切吹き飛んでしまうと思う。
少年法に守られ、短い刑期で世に放たれた彼らのインタビューシーンを読んでいるだけで腸が煮えくり返る。
憎しみが憎しみを呼び、復讐の連鎖から何も生まれない事を頭で理解していても、自分自身を納得させる術はない。
だがその思いは終盤で一気に揺らぐことになる。
こんな贖罪の仕方があるなんて…。
少年事件が後を絶たない今、真の更生とは贖罪とは何かを考えさせられる。
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