『ぼんぼん彩句』宮部 みゆき
1992年に刊行された『火車』以来、時々手にしている宮部作品。
新作は『ぼんぼん彩句』
俳句と小説がマッチング。
十二の俳句を元に描いた十二の短編小説。
たった十七音の俳句から紡ぎ出される世界が堪らなく面白い。
ぼんぼんと弾むようなタイトルから楽しい物語を想像していたが良い意味で裏切られた。
どの短編も怖いのだ。
変な家族や悪意を持つ人々、全編を通しブラック宮部の世界が味わえる。
粒揃いの短編集だが特に面白かったのは
『鋏利し庭の鶏頭刎ね尽くす』
『月隠るついさっきまで人だった』
『薄闇や苔むす墓石に蜥蜴の子』
『薔薇落つる丑三つの刻誰ぞいぬ』
『冬晴れの遠出の先の野辺送り』
そんじょそこらのイヤミスより恐ろしい。
かなりブラックでした。
でも短編ならではのキレが効いていてさすが宮部さん!という感じ。
プレバトを毎週欠かさず観ている私にとって、俳句がモチーフというのも新鮮でした。
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