『定食屋「雑」』原田 ひ香
期待より遥かに良かった。
「コロッケ」「トンカツ」「から揚げ」
「ハムカツ」「カレー」「握り飯」
6話収録の連作短編集だが長編小説のような味わい。
料理の描写もさることながら、本作では登場人物の心理描写が秀逸。
突然、夫から離婚を切り出された主人公・沙也加が、偵察を目的に働き始めた定食屋「雑」での様子が逐一目に浮かぶ。
沙也加、店主のぞうさん、常連客の高津さん、様々な事情を抱えながらも、皆が懸命に生きている。
『遠くの親類より近くの他人』とは良く言ったもので、情の深さに目頭が熱くなった。
最終話とエピローグがとても好き。
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拙い記事を読んでくださってありがとうございます(*´▽︎`*)