『カフネ』阿部 暁子
様々な感情が刺激されたがとてもやさしい作品だった。
溺愛していた弟が急死し悲嘆にくれていた野宮薫子と、弟の元恋人・小野寺せつな。
二人の女性を中心に物語は展開していく。
ひょんな事から、せつなが勤める家事代行サービス会社「カフネ」でボランティアをする事になった薫子。
不協和音を奏でていた二人が事情のある家庭を共に巡り、食を通し少しずつ分かり合えていく過程がいい。
料理小説の顔を見せながらミステリ要素も加わり、更に社会問題や多様性など内容は多岐に渡るが猥雑さはない。
血の繋がりを超えた彼女達の絆に読後は胸が一杯になる。
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