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読書記録その9

 新年1回目の投稿になります。書きたいことはいろいろあるのですが、まずは読書記録から始めていきます。

今回の書籍

『オリックスはなぜ優勝できたのか』喜瀬雅則
 元サンケイスポーツ記者の筆者が1995・96年のパ・リーグ連覇、2000年以降長く続いた低迷期、2004年の球団合併を経て、2021年に下馬評を覆し2年連続再最下位からのパ・リーグ優勝を果たすまでに至るまで、オリックスブルーウェーブならびにオリックスバファローズに何が起こっていたのかを、選手・指導者・球団職員に至るまで豊富な取材をもとに述べている。

1995-

 1994年に故仰木彬監督が就任、イチローなどのスーパースターを擁し、データ重視の緻密な仰木マジックと呼ばれる采配で強くなっていく。1995年には阪神淡路大震災からの復興のシンボルとして「がんばろうKOBE」を合言葉に、95年にリーグ優勝、96年に日本一に輝く。その後、イチローが移籍する2000年まで3位以内に入るチームとなる。

2000-

 仰木彬監督が退任、さらにイチローのみならず、多くの主力選手が移籍・退団・引退し、チームとしては低迷期に入る。フロント主導の戦力強化を進めるもことごとく失敗。そして球界を大混乱に陥れるあの出来事が起こる。

2004

 赤字経営となっていた大阪近鉄バファローズの吸収合併の件が浮上。球団が1つ減ってさらにはもう1つ合併させようという案も浮上し、挙げ句プロ野球選手会が異例のストライキを起こすなど大騒動となった。結局は近鉄とオリックスが合併し、オリックスバファローズに、1球団抜けた分の補填は東北楽天ゴールデンイーグルスが新規参入する形となった。

2005-

 戦力構成が変わったとはいえ、育成・計画的な戦力強化ができず、たまに確変が起きて優勝争いをするシーズンがあるものの、ほとんどのシーズンは下位に低迷するというのが15年以上続く。

2021-

 現在の中嶋聡監督が正式に就任し、育成にシフトした戦力強化計画が見事に花開く。選手の年齢構成に着目したドラフト戦略で選手を獲得・育成し、吉田正尚・山本由伸・宮城大弥・杉本裕太郎などをスター選手に仕立てて、活躍させていく。
 出版のタイミングの関係で書かれていないが、翌2022年は多くの若手選手の活躍がひかり、1996年以来の日本一に輝いている。

まとめ オリックス球団の強みとは

 オリックスがこのようにV字回復できたのも、人脈に恵まれていたからだろう。
 仰木氏の指導を受けていた選手・指導者はプロアマ問わず様々なところで指導者となり、結果を出している。
 また、2021年の優勝の際もその5年前に育成メインに切り替えた戦力強化を進言したアイデアマンがいたからであり、その彼がいなければオリックスは今も低迷したままだったろう。


 今回はこんな感じです。実際1995-96年と2021-22年のリーグ連覇には共通点がいくつか見られます。ただ、2022年シーズンオフには吉田正尚のメジャー移籍、伏見寅威のFA移籍、そして久々にFAでの森友哉の獲得がありました。ここは1996年シーズンオフとは異なるところ。2023年のオリックスバファローズはどうなることやら。

それでは。

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