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銭湯日記(2024年10月)

ありぱんです。先月から始めた「銭湯日記」を7月から書いています。自分の生活のQOLを高めてくれる実感があったので、10月も継続することにしました。

※前回までの文章はこちら

銭湯日記とは?

(ここからは再掲となるが…)
銭湯にいるときには、大抵何らかの思考が整理されるのだが、それらの思考は銭湯から日常に帰るとすっかり忘れ去られてしまう。こうやって書き留めることで、後から振り返って思い出せたり、あるいは共感してくれる人もいるかもしれない、という期待もあり、書き進めていくことにする。

銭湯は大抵写真禁止のため、文字の多い記事になることうけあいだが、ついでに東京〜神奈川界隈の銭湯に詳しくなるおまけ付きだ(と思う)。今回はちょいちょいお写真もアップしているので、銭湯好きの方には是非読んでいってほしい。


1銭湯目:新越泉「朴訥と、サブカルに思いを馳せる」

中野近辺の銭湯は、意外と閉まるのが早い銭湯が多かったりする(天神湯は23時半まで、など)。24時までの時間を縫うように入浴へ。

・いつも通り、ちょっとぬるめの水風呂で、バイブラを楽しみながら入浴。
・深夜の時間帯はなぜかいつもアニメがついていて、今回はマジルミエがやっていた。漫画で読んでいたので、「そうか、もうアニメ化か」と知る。今クールのアニメを追いかけていなかったので、思いがけず最近の流れを知れた

・新越泉は、疲れた体でも周りきれるコンパクトさと、それでいて水風呂で締めることでしゃきっと出来る実力の両方を兼ね備えていて、疲れているときにうってつけの銭湯だと感じる。24時までという絶妙な時間設定も、銭湯を効率よく回るモチベーションになる。なぜかいつもちょっと急ぎ目な気持ちで入浴するのだが、風呂から出ると、不思議な爽快感が得られる。

新越泉は最寄り駅が新井薬師前であることもあり、近くに新井薬師公園がある。深夜の公園というのはソワソワしつつもワクワクする空間であり(ただし、一人で出歩かない場合に限る。一人は普通に危ないので)、それを横切りながら風を浴びるのがちょうどよい時期になったな、と時の流れを感じる。まだ暑いぞ!夏が延長している?

2銭湯目:小杉湯(高円寺)「内側から、染み出すような温かさ」

今日は午前中「小杉湯となり」1Fでかつての同僚たちとQに1回の振り返りを実施。ランチの後は同じく「小杉湯となり」2Fで作業を継続。溜まりに溜まった事務作業などを行い、夕方には本屋さんを巡るなどした。22時までいっぱいいっぱい作業し(1日3000円くらいだから、元を取ろうという気持ちが働き、結果として超集中できた笑)、その後小杉湯へ。

・小杉湯のオーバーツーリズム感。海外の人が銭湯を試すにはまずここ、というのは(比較的きれいだし、アメニティ類は色々サポートがあるし)良いのかも。入れ墨でもOKなのも大きい。地元民/おしゃれ民/インバウンド民の混ざりあいは悪くないが、チャレンジでもあるんだろうな
・3人組、2人組などが多く、特に水風呂が大混雑すぎて肌と肌とが触れ合うこと多数。こうなるとささっと出。こういうときもあるわね。

・よく見たら小杉湯、体育館くらい屋根が高い。というか、もしかして屋根が高い銭湯って多いのか?

・それにしても小杉湯は、ミルク湯も温冷交代浴も、内側から染み出すような温かさがあって、それが人を離さない魅力になるんだろうな…

この日はTwitterで見かけたハロウィン限定のサンリオお菓子をゲットすべく、夜に小杉湯に入った後も含め、1日で7つくらいのセブンイレブンを巡った。結局見つからなかったけど、たくさんのセブンを巡って楽しかったのと、情報提供から捜索手伝いまでしてくれた彼氏くんの優しさを感じた(なお翌日あっさり先方職場の近くで見つかったと報告があり、捜索/捕獲活動は終了。自分の探していたお目当ての品以外も全種類購入しており、オタク心理を理解した良い彼氏を持ったなとしみじみと思ったのであった←いい話)。

3銭湯目:香藤湯「生活に溶け込む銭湯のあり方」

この日は大好きな最推しこと「≒JOY」大西葵ちゃんと対面お話し会。お見送りまで出来てめちゃくちゃ楽しかった…一瞬だけど、確かにそこにあった、本当に、幸せなひととき。

帰還後即銭湯へ!いつもは中野の北側を選ぶが、今回は時間に余裕があるので南側チョイス&初めての来訪。最寄りは丸ノ内線東高円寺駅らしい。「北欧サウナ」とあるが、温冷交代浴の民のため銭湯のみの利用。

満を持しての来訪

・全体的にコンパクト。待合室や水風呂も狭めだが、脱衣所にはなぜか洗濯機もあり、便利で生活に溶け込みやすいんだろうなと思った。
・水風呂はちょうどよい温度。温礼交代の民としてはありがたい!

・ルール自体はゆるめな感じ、「毛染め禁止」と書かれているポスターの隣でおばさん2人が仲良く毛染めしあいっこしていて(笑えないけど)微笑ましかった(ええんか)。

中野駅南口界隈は、「マジック温泉 昭和浴場」などにもあるように、面白い銭湯が多そうなので、引き続き開拓していきたい。

4銭湯目:松の湯「なぜか涙が出る銭湯って」

今日は10月10日、そう…銭湯の日!こんな素晴らしい日に神奈川県に引きこもっている理由はない!というわけでこの日は東京の「ラベンダー湯まつり」と、ほぼ記念タオルのために出社。

とはいえ、銭湯によっては10日にタオル配布をしていないところもあるらしい…ネットで情報が取れるところも少なく…どうしよう?と思っていたところで、ふと思い立った、引越し前の家の最寄り銭湯こと「松の湯」!
久しぶりの中延、そして松の湯への来訪に、駅についた時点から胸の高鳴りが止まらない。

・タオルもらえて感動!今年初参加なので嬉しさもひとしお!

・「松の湯」といえば外気浴。高濃度炭酸泉なのも最高なのだけど、外気浴しつつ風呂に入れて一休みできる感じが本当に最高で、空を眺めて星が見えないか確認していたこと、昔住んでいたときに考えていたこと、一緒に友達とここに来て話したこと、脳内に流れていた音楽(ここに来るとゆず「向日葵」が脳内で勝手に流れる)など、いろいろなことが押し寄せてきて、うるうるしてしまった。

・温冷交代浴をしながら水風呂のなかで、水風呂は地獄か天国か、あるいは熱湯が地獄なのか?などをよく考えたり、水風呂でどれだけ耐久できるか秒数を数えたり、深く深呼吸していたのを思い出した。

・なぜか涙が出てしまう心地よさ。高濃度炭酸泉があるとか薬湯があるとかそういう機能的な面だけじゃなくて、通ったときに考えたことが地層のように頭の中に降り積もっていて、それが暗黙的に感じられるからな気がした。ホーム銭湯ってこういうことだなとしみじみ。

・当時との相違点として、オリジナルの飲み物が開発されていた!すごい!(もしかしたら当時もあって、気づかなかったのかもしれないけど)

なんで昔住んでいた街って、こんなにエモく映るんでしょうね。

5銭湯目:小杉湯(高円寺)「昼銭湯のススメ」

この日は前日夜に銭湯に行けなかったので、リベンジとして珍しく朝(というかもう昼だったな?)風呂!朝から営業のお風呂といえば、な小杉湯へ。

・結論、昼に銭湯に行くのは、めちゃくちゃ良いことが分かった。理由はいくつかあるのだけど、
① 昼の方が美意識の高さゆえに来ている人がいる(ゆっくりボディメンテナンスをしている人など)
② 昼の自分の方が、まだ体力や精神力が摩耗しておらず、銭湯内の変化や出来事によく気付ける(例えば天井の掃除とか、更衣室のつくりの美しさとか)
③ 何より深夜よりも空いている
④ これが一番大きいのだけど、キラキラした光が差し込んで、とてもマインドフル!
この4つが大きい。休日の真っ昼間に行くの、最高すぎる。ミルクの香りの残り香で、その後の予定もルンルンで過ごせる。

・これは流石にいつ来てもだけど、ミルク風呂はハッピーの具現化。いつも言ってるかもだけど、ミルクを足してもらえる瞬間に居合わせると、言いようのない多幸感が味わえるのは、小杉湯一番の醍醐味だと思う。

・銭湯は、外的刺激の観点もそうだけど、自分の内側と向き合い、「じん、、、」とする感覚に耳を傾けられる貴重な時間。例えば自分の肩を揉みしだいてみたり、耳を引っ張ったり。自分の体と対話できる機会って、実はそんなに多くない。私にとってはホットヨガと銭湯が二大巨頭。

この銭湯日記を連載当初(7月くらい)から読んでいる人からすると「小杉湯行き過ぎやろ」と思われてしまうと思うけど、前は小杉湯はお出かけしてわざわざ行くところだったわけで、いまたまたま、お出かけではなく生活のいち選択肢として小杉湯に来れていることがすごく幸せなことだなぁと思う。やっぱりどこまで行っても生活と銭湯は地続きで、あまりに生活圏から遠い風呂に通うことは出来ないから、そんなのは一時的なことだと分かっている。だけど、いまこうやって小杉湯に来れるのをありがたいと思うし、いつかそう出来る日がまた来たらいいな、と言いようのないセンチメンタルさを感じる。

6銭湯目:天神湯「早く上がった夜は」

この日は人生初の「悟空のきもち」へ。いわゆるヘッドスパ(ドライマッサージ)的な感じが近いと思うけど、期待よりも先に、担当についてくれた女の子の可愛らしさにドギマギしてしまい、またそのリラックス的な演出にも圧倒された結果、施術どころではなく、気を使いすぎて余計に疲労してしまったため駆け込み銭湯。早めに中野に上陸したこともあり、いつもなら閉店がやや早くて行くのを諦めてしまう天神湯へ。

・水風呂がぬるくて熱湯が熱いという特徴のある天神湯は、温冷交代浴の楽しみ方のコツが通常の銭湯と異なる。また一般的に(?)温冷交代浴エリートは最後に水風呂に入ると言われており、ここでは比較的それが実践しやすいように思いチャレンジしてみようと思ったが、惨敗。やっぱり最後は熱い風呂で締めたくなってしまう。ぐぬう。
・そういうわけで、比較的ぬるめな水風呂にあって、たまたま水が湧いてくるとラッキー!という気分になれることに気づいた。

・いろんな銭湯を巡ると、つい上を見るクセがついてしまい、天井のメンテナンス具合とかが気になるようになってしまう。あんなところどうやって掃除するんだろうと思う。

・この日は出産についての話を友達から聞いた直後だったので、十月十日の概念について思いを馳せていた(実際には、最終月経の初日から280日目(40週)を出産予定日として計算するため、正式には十月十日ではないらしい)。昨今いろいろな友人から「出産」という出来事について話を聞いたので、それぞれの語りを抽象化したメリデメを脳内でまとめていた。

・あと、電気風呂がある銭湯は無条件に好き。

・今日は新たに、脱衣所の電球がシャレオツなことに気づいた。昭和クラシック感と新しさが融合された雰囲気が、東京らしさというかを醸し出しているんだなと思った。

風呂から出た直後、現在は別の道にありながらも研究を志す、憧れの友人からの吉報を聞く。素直に嬉しい!人生の叶えたいことの進捗を、願えたり祝えたりする関係性が築けるのも嬉しい!
銭湯の温かさも相まって、心に明かりが灯ったように感じた。

https://www.1010.or.jp/mag-tokyosento-tenjinyu_nkn/

7銭湯目:記念湯「たくさんの人生初を浴びる回」

現実の喧騒に耐えきれず、横浜駅のプラネタリウムの最終プログラムに駆け込み。リクライニングの角度に若干うずうずしつつも(プレミアムシートにしておけばよかったか…!)、プラネタリウムの美しさにはうっとり(当然若干寝た)。このままの勢いで飲みに行くか?とも思ったが、ここはリラックスに振り切り銭湯に行くことに。

とはいえ、向かい側にあるスカイスパは今から行くにはちょっと高価…ということで、一番近くの銭湯である、京浜急行戸部駅より徒歩1分の「記念湯」に行ってみることに。打たせ湯や歩行欲、薬湯等 7種のお風呂が楽しめるらしい。口コミを見ると「渋い」「昔ながら」とのことだが、実際はいかに…!

謎のネオンも味があるね

・今回一番印象に残ったのは露天風呂。外が最高!今日はたまたま女性側が露天だったので、とてもラッキー!(女性側が露天風呂の日が半分あるのが好感度高い。そもそも一生交代しないで男風呂が露天であり続ける銭湯も多いので、感動😭)

・露天風呂のなかに電気風呂があるという初めての仕様。なお電気風呂は強めで、効き感が強く感じられた。また、お風呂は浅めで全体的に寝湯っぽい感じ。露天での電気風呂+寝湯の体験は至高!また、風呂以外にも少しスペースがあるので、外気浴もできちゃう感じ。

・今回興味のあった薬湯も期待以上。44度くらいで、熱すぎて入れないのではという懸念があったのだが、予想していたよりは意外と熱くなかった(もしかしたら、日々銭湯修行しているからか?)もっと浅くてもいいんだけどね?という気持ちにはなった(結構深いお風呂で、溺れるかと思った笑)。

・水風呂もちゃんと冷たく熱湯→水風呂→外気浴、が捗るルーティンだった(温度的には小杉湯くらいだから18度くらいな体感。温度計には15度と書いてあったが本当だったのだろうか…これを「私が入れるくらいの冷たさの風呂は18度だろ問題」と呼んでいます←どうでもいい)。温冷交代浴をしながら、お風呂って、意外と熱いほうが優しく、冷たいほうが怖くなるのかもしれないとか思いながら入った。
・ここも温冷交代浴的な観点でいうと、冷で締めるべきなのだろうが、また温で締めちゃった…気持ちよかったんですもの…

・歩行風呂?みたいなのも初めてでワクワク!せわしないのは銭湯以外にしておいてほしい(銭湯は「自分の丁度いい置き場」を探しているため)のだけど、これはこれで楽しい!流れのある銭湯というのが新しい!

・浴室の絵画はちょっとレトロな横浜っぽい絵画だったので、これを見れただけでも「ああ、横浜の銭湯ってことね」となり、わざわざ足を運んだかいがあったなと思った。

・下駄箱の鍵と脱衣所の鍵を交換するのだけど、返却の際には下駄箱の番号を覚えておく必要があるというのだけ緊張感があった。私は記憶力に自信がないので、写真撮影して忘却を防いだ。

・あと頭のなかでは「なぜ人は『将来』飲食店をやりたがるのか?バリバリサラリーマンとかが将来の夢の欄に「スナックの経営」と書いたり、1社を勤め上げた勤勉なサラリーマンが老後に何をしたいとなるとカフェや喫茶店をやりたがったり、自分も含めてスナックの1日店長をやりたがったりと、自己実現のスキームに飲食店が入りがちのはなぜだろうと前から思っている。直接ユーザと触れ合えるから?利益率など勘案しても、(その道の初心者がそこに参入するよりは)どう考えてもBtoBビジネスをしていたほうが良いだろうと思うのだが、それは本当に現在と地続きの夢なのだろうか?それとも現実逃避?人生の目標は人生の延長線上になくても良いということなのだろうか?逆にニーズが大きいなら、1日バーテンダーの場所貸しビジネスやったほうが儲かるのだろうか?」などということを考えていた。

いつもの銭湯に安心を覚えるのも好きだけど、初めて訪れる銭湯がアタリだと感じるの、それはそれで好きなんだよな。たまには新しい銭湯開拓もしていこうと思った。

8銭湯目:一の湯「福利厚生銭湯」

会社帰りに銭湯へ。この日は遅かったこともあり、いつもの寿湯にでも…と思っていたら、寿湯は休業。ということで、そのまま目的地を変更し、遅くまで営業している、安定の沼袋・一の湯へ!

・久しぶりに一の湯に来たのだが、温冷交代浴の民泣かせの水風呂のない銭湯で、どうすればいいんだっけと思い出すのに時間がかかった笑。(はじっこのシャワーから冷たい水が出るので、それを浴びて戻るんだった)

・端っこに「ホットバス」なるものがあるのだけど、他の中温湯ともつながっていて「どういうこっちゃ」と思っていた。今回入ってみたところ、なんと脇にボタンが。押すと気持ち確かに熱い!なんでも釜から直にお湯が出てくる仕組みを採用しているらしい。これは画期的なシステムだなと思った。熱いお風呂に入りたい人に「熱い湯」を提供しているということか。

・一の湯の一番好きなのはミストサウナで、ミストが出ている瞬間の音を聞きつけるたびにミストサウナに駆け込む謎スタイルをとっていた。ミストサウナの温度は47度に設定してあるらしく、温度設定もちょうどよい。ほのかにミントの香りが心地よい!私は花粉症で気管支弱めなので、なんだか喉に良いことをしている気分になり大変良い。

・そして、一の湯といえば福利厚生銭湯である(タオルのレンタルが無料なところから始まり、なぜかリサイクル衣服が置いてあったり、持ち帰り用の紙袋が置かれていたり、メイク落としから、顔のパックまで使って良いとされている)ことが有名&大感謝。

・なのだが、男湯と女湯の格差が激しいことを知ってしまいショック。なんでも男湯には露天があるらしい…たまに女の子も男湯まで含めて入れる日が設定されているらしいので、何が何でもその日を狙って露天に入りたい(露天狂か?)。

一の湯は、銭湯本体もそうだけど、周辺の街を眺めるのが好き。行ってみたい居酒屋があったり、謎のLUUP2人乗り爆走カップルがいたり、どういう感じ?という様相の人がいたり、中野駅近辺とは別の多様性があるのも面白い。あと駅前のセブンイレブンが大きいのも好き。

9銭湯目:小杉湯(高円寺)「『ゆるむ』の困難さ」

来ました、今月3回目の小杉湯。ハラカドの小杉湯も好きだけど、営業時間の長さと土地の利が勝ってどうしてもこちらに来てしまう。

・小杉湯の推奨するこうご浴(温冷交代浴の通称らしい)のスタイルは、熱湯に入る→水風呂に入る→カランでゆっくりする(ゆるむ)らしいのだけど、この最後の「カランでゆっくりする」の工程がどうしても苦手である。比較的混雑していると、1カランを占領して、しかも洗わずうなだれているというのはいかがなものかと自分自身に問いかけ、数秒いたらすごすごと立ち去ってしまう。あるいは、洗い場を一周して、ゆっくりしたことにしてしまう。気にしすぎなのか、焦りすぎなのか、何なのかわからないけど、この最後の工程をもう少しゆっくりできれば、体験の在り方が少し変わるような気もした。

・22時〜23時と遅めの時間ではあったが、親御さんと立ち寄ったのだろうか、まだ2〜3歳くらいの可愛いお子さんがいた。子どもの笑顔の可愛さ、教わってるんかな。と思うくらいの可愛らしい笑顔である。多少バシャついていても全て許せる圧倒的な可愛さだ。子どもがいたことがないから分からないけど、もし何を最初に教えるかと問われたら、「とりあえず子どもは笑顔がとんでもなく可愛いので笑っておいたほうが良いよ」みたいな体の良い世渡りを教えてしまいそうなので、私は子どもに近づけてはならない。

・そしてこの時間には珍しく(いや、小杉湯はこの時間が意外と穴場なのかも。24時以降は混んでるので)1人もお風呂にいない時間があった。マハラジャかよ!と思いながら、のびのびとミルク風呂を楽しんだ。最高。

・ところで、あんなに高いところに窓があってどうするのだろう?誰が開けるん?←また天井方面の話ししてる

この少し早めの時間に入浴すると、休憩室でついゆったりしてしまう。そういう時間が何よりの幸せだったりもする。

10銭湯目:万年湯「人間観察が避けられない」

この日は地下で推しているアイドル「あいみゅう」ちゃんのライブが開催された。椿ちゃんの生誕祭ということで、ワクワクしながら現場入り。メンカラ白がなぜか光らないというトラブルが発生するも、私の同じく推しであるところの「=LOVE」の楽曲をカバーしてくれてひとりで沸いたりと、大変楽しい1日を過ごせた。この日は新宿の現場だったことから、「大久保の万年湯に絶対行くぞ!そして韓国料理チュクミを食べるんじゃ!」と思っていたので、喜び勇んで万年湯へ。

・レンタルタオル1枚無料なのは嬉しい!電気風呂があるのも嬉しい!

・高温風呂はいつもおっかなびっくり入るのだが、意外と今回は行けていて、前回に引き続き、高温風呂への耐性が高まってきているのを感じる。

・いつ行ってもわちゃわちゃ入っている人が多くて、見ていて楽しい。ゆるまるというよりは楽しむという方が近い雰囲気を感じる。

・そしていつも気になるのが、「どういう組み合わせなんだろう」という2人組が多いということ。前回までの日記でも、職場の同僚なのかなとか、ご近所さんなのかなとか色々考えていたが、それらでは説明のつかなそうな年の離れた2人が仲良くしていたりするのを見ると(バイト先の店長とアルバイトなのか、はたまた親子なのか…)想像が尽きなくて、頭の中が空っぽになることはなく、忙しない。

・また、観光地である新大久保が近いからか、観光客らしき若者グループもおり、とんでもないキャーキャー感と、とんでもないシャワーの撒き散らしをしており、それもまた多様性…と遠巻きに眺めていた。社会。カオス。

・水風呂の使い方も多様性があり独特。ひたすら体に水をぶっかけまくる人、顔だけのぞかせて水道から水を汲む人、足だけ入りたそうに入口で待っている人など…狭いのもあるけど、(譲る、奥に行くなど)導線が最適化されていかず面白さを感じることもある。むしろ他の客の状況に応じて配置が最適化されていくほうが変なのかもしれない。

ちなみに、韓国料理は大変美味でした。

11銭湯目:恋野温泉うはらの湯「思いがけぬ収穫」

10月を締めくくるお風呂体験は、初めて降り立った地のスーパー銭湯で。神戸はポートアイランド付近に旅行。ホテルに大浴場がないことが分かり、急遽銭湯を探すことに。
ただしその日はリモートワーク労働後だったこともあり夜も遅く、公営銭湯はほぼ閉店間近…ということで、ホテルから一番近い、住吉駅近くのスーパー銭湯「恋野温泉うはらの湯」さんに、夕食がてら、れっつごー!

入口からスタイリッシュ!期待が膨らむ

・充実した銭湯。館内には10種類のお風呂があるとのことで、周りきれないくらいたくさんのお風呂!高濃度炭酸泉も良かったけど、特に良かったのは電気風呂。横についているのと背中側についているのがあってすごく良かった。時間がないなかでの周遊だったけど、いろいろな温度のお風呂に入れて大満足!サウナも2種類。さすが。

・温泉の種類もさることながら、温度の多様性が素晴らしかった。源泉灼熱の湯はしっかり44度とかあって短い時間でも熱さを感じられ、人肌の湯なる、本当に人肌くらいのぬる湯があって、ぬる湯好きとしては見逃せなかった。水風呂も適度に冷たくて最高だった…!

・ほんとに1時間くらいしか入浴できずで…時間…足りなかった…!今度は岩盤浴にも行きたいなぁ…なんとアウフグースもあるらしい。ご飯も充実していたから、今度行くときはもっと長い時間入浴できたらいいなぁ。あと、今回は居酒屋メニュー中心だったけど、ナポリタンが美味しいらしいので、今度はそれも食べたい!

・そして、お客さん同士が顔なじみっぽいのにはびっくりした。回数券とかで足繁く通っていたり、仕事終わりで同じ時間帯に入っている人がいるんだろうか。銭湯ではよく見る光景だが、スーパー銭湯ではそういう風景を見ることは稀なので、どういうことなのだろうと気になった。

最後は兵庫ならではの日本酒もいただきました。最高🥺

焼稀 生一本 純米。兵庫県産山田錦を使用した、後味のスッキリしたお酒!

「知らない場所で、ご当地性があるか分からないスーパー銭湯に行くのってどうなん?」と思っていたけど、銭湯に行くうえではご当地性なんてどうでもよく(その差分はお酒や料理などにしか出ない)、「自分が積み重ねてきた銭湯経験を超えるものがあるかどうか?心地よく入浴できるか?どんな人が入浴しているか?」のほうがむしろ重要であり、その点においてはどんな風呂に赴いてもきっと楽しめるということに気づいて、嬉しくなった。

総括:11銭湯を巡って

今月も銭湯日記を続けようと思い、筆を執っている。銭湯に行くたびに、思ったことをメモするのもほぼ習慣となってきた。何かあったら銭湯、と思う回数も増えてきたように思う。この習慣化が、銭湯が私の生活において欠かせない場所となる要因のひとつにもなっているのかもしれない。とはいえ、銭湯はただの癒しの場にとどまらず、心と体をリセットし、自分と向き合う貴重な時間を提供してくれるのは確かである。

10月、思いがけず印象に残ったのは、神戸で訪れた「恋野温泉うはらの湯」だ。土地の空気や雰囲気が異なる場所での初訪問で、銭湯のバリエーションと利用者の様子が新鮮に映った。こうした土地の違いを感じる中で、銭湯がどこであっても「自分の思考フィールドに戻れる場」となりうることを改めて感じた。そういう場所が全国のどこにでもあるのは幸せなことだ。

また、「記念湯」での電気風呂と露天風呂の組み合わせもまた、特筆すべきものだった。「露天での電気風呂」という初めての組み合わせは、最初こそ戸惑いがなかったわけではないが、体の芯まで温まる体験と外気の爽快さが同時に味わえ、今までにない新鮮な感覚をもたらしてくれた。

そして、同じく印象的だった「松の湯」への再訪では、外気浴の心地よさに、過去に通った際の記憶が重なり、懐かしさと共に思わず胸が熱くなった。ふとした瞬間に当時の自分やその時の思い出が蘇る場所であり、銭湯がただの設備ではなく、個々の記憶や感情と密接に結びついている場所だと感じたのも10月のハイライトと言えそうである。

引き続き10月もここではすっかりお馴染みの「小杉湯」や「天神湯」に赴き、日常を見つめ直す時間を過ごすことができた。毎回、微細な変化や新たな発見があることで、銭湯が「繰り返し」の中に新しい視点や気づきを与えてくれる場所であると改めて実感する。

これからも新しい銭湯と馴染みの銭湯、双方を巡りながら、自分を整え、生活に彩りを加えてくれるこの時間を続けていきたい。

(追記:今月こそ、銭湯が重複してきて書くネタがなくなりそうだなぁ、と思っていたら、前に書いたことを繰り返し書いているのか、普通に10,000文字超えてしまった。なぜ?)


UXコンサル、BtoBマーケ、人事を経てコミュニケーションマネージャー(広報、マーケ、採用広報、組織開発)なう。 書くこと:パン偏愛、可愛いもの布教、働くこと、生きること、1日1考、新サービス考察、旅行、読書録、銭湯、恋愛。 頂いたサポートは、もれなくパンの研究に使われます。