高校生に戻れるラーメン
先日、高校の友人に食事に誘われた。
彼とは高校3年間毎日遊んで
毎日たくさん笑った仲だ。
そんな彼からの誘いは
もちろんOKでしかない。
出かける当日。彼が私の自宅まで
車で来てくれた。
なんだかそれだけで感慨深かった。
毎日学校が終わったら
すぐに自転車で街を駆け回り、
ご飯や遊びに向かっていたから、
彼がこうして車を運転している
というだけで、
「あぁ、大人になったんだな。」と
余韻に浸ってしまった。
そんな時間も束の間、
向かった先はとあるラーメン屋さんだった。
そのラーメン屋さんは私たちにとって
まさに"青春と呼べる場所だった。
高校の近所にあり、私と彼が
当時お金もなかったのに、
ほぼ毎日通っていた場所。
このラーメンを食べるのは、
数年前に高校の近所から
なくなってしまった時以来だ。
「いただきます。」
手を合わせた後、初手でスープを飲んだ。
涙が出るほど懐かしく
慣れ親しんだ味をしていた。
当時の青春が走馬灯のように蘇ってくる。
私たちの見た目や背丈や服装も
変わってしまったけど、
この瞬間だけは18歳のあの頃に
完全に戻っていたと思う。
ラーメンを食べ終わり、
軽くドライブをしてその日は解散した。
高校生の時は早く大人になりたいと
いつも思っていたけれど、
大人になった今。
あの頃の時間が何よりもかけがえのなく、
大切な時間だったんだなぁと感じられた。
ラーメンとこの感情を思い出させてくれた
友人のおかげで、お腹も気持ちも
いっぱいになれた特別な1日だった。
それでは。