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カラオケ店員の日記〜うる星やつらが10代に見せた文化祭の夢〜

7時〜9時は保育園でバイト、12時〜18時はカラオケ店でバイトだった。
勤務終了後、責任者のマリさんが「ディスプレイの飾り作るの間に合わへん!徹夜しなアカン!」と困っていたので手伝うことにした。
202号室で作業開始。まずは風船を膨らませていたら、「風船20個だけ手伝う!」と言って、にいもっちゃんが来た。しかし、なかなか風船が膨らまず、マクドでポテトを買って来てパワーチャージしていた。
「なんか文化祭みたいやなあ」と言ったら「僕、文化祭経験したことないんですよ。悲しいことに。」と言う。
にいもっちゃんは定時制に通っているらしい。
「でもあれでしょ?こういう準備みたいなので、学校泊まれるんでしょ!?そんで気になる女子と一夜を共にできたりするんでしょ!?」と真っ直ぐなキラキラの目で聞いてきた。
マリさんと私は「そんなことできへんよ!」と一刀両断。

しかし、にいもっちゃっんのその純粋な気持ちは折れない。
「え!?でも僕、漫画で読みましたよ?うる星やつらで。そんでキャンプファイヤーで踊るんすよね!」とワクワクMAXのテンションで話すのだった。

どんだけ文化祭に夢持ってるんよ!と可笑しくなり、マリさんと笑ってしまった。

そして、(最近はキャンプファイヤーもない気がする…)
という言葉はもう言わなかった。

結局、19時半くらいまで手伝って帰った。

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