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荷主と委託先のリアルなところ

月日が経った荷主と委託先


荷主企業の多くは、自社の物流業務を物流業者や3PL事業者へ業務委託している。
業務移管当時は、作業を外出しして、管理と本業に注力するという目的でスタートしたはずだった。
ところが、月日が経つとともに管理といっても実績確認と定型の報告書のみで「管理ができています」といったレベルまで下がってきているのではないだろうか?
物流業務のノウハウについてもどんどん知識技能は薄まっていき、工程の流れは言えても作業の手順まではわからなくなっているのではないだろうか?
10年も経つと、荷主側には作業ノウハウはなくなり、コスト構造もブラックボックスになっていると思われる。
つまり自社の物流の問題・課題が把握できない状態になっているということである。

改善が進まない構造


荷主側も物流の問題・課題がわからず、知識もないから、「改善を進めてくださいね。」という自己不在のお願い型になっていく。
お願いされても、コスト構造がわかっていない荷主の人たちは、改善が進むと単価の値下げ交渉しようとすることを知っている。
みすみす改善効果を搾取されるようなことは、はじめからやりたくない。
つまり、しんどい思いをして改善してもただ、売り上げが下がるだけのことをやるはずがないのだ。(営業トークでは、改善頑張ります!)
といっても協力的な姿勢は見せなければならないから、身の回りの創意工夫を改善とすることで、売り上げには影響が出ない小さな改善だけを継続することでよしとしているのである。

儲かる物流現場づくりに大切なこと


これでは荷主と業務委託先ではベクトルが合わずに、物流の最適化に近づけるための改善活動などが行われることがない。そして品質、安全、業務の効率化を目指した改善を進めていかなければ作業は劣化してジリ貧になっていくばかりである。
やはり改善活動は必要なのだ。
発案と実施部署が改善効果を公平に享受できるようなゲインシェアの仕組みを入れていかなければ、この先「体質の改善」は期待できない。
結果として、問題・課題が野晒しされて安全、作業品質、業務の効率化も劣化していくのではないだろうか?つまり、事故やミスが多く発生し、トラブル対応に時間とコストを使い、やっても儲からない仕事を継続していくということになってしまうのである。

頭を切り替えて


そんな管理監督者がトラブル対応に追われているばかりの職場環境では、少子・高齢化の人材不足対応など進められるはずがない。
今のままでは、不慣れな高齢者や女性、外国人やスポットバイトの人も受け入れて、人員確保をしなければならず、昔のような背中で教えるような指導時間をかけることもできない。
即日、短期間でもすぐできる仕事の標準化をしていかなければならない。
「不安だ」「困った」「大変だ」といっているだけでなく、荷主も業務委託先もベクトルを合わせて仕事の管理から見つめ直していくべきではないだろうか。

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