物流現場を考えるサイ

物流の現場をよくしたい! 現場作業者から現場管理、物流管理、物流改善などを学び、色々な知識や経験を重ねてきました。物流センターの立ち上げや現場づくり、スタッフ育成で感じた事や彼等に伝えてきたことを直接、お会いする機会のない方々と共有し、少しでもお役に立てるように発信していきます。

物流現場を考えるサイ

物流の現場をよくしたい! 現場作業者から現場管理、物流管理、物流改善などを学び、色々な知識や経験を重ねてきました。物流センターの立ち上げや現場づくり、スタッフ育成で感じた事や彼等に伝えてきたことを直接、お会いする機会のない方々と共有し、少しでもお役に立てるように発信していきます。

最近の記事

誰も気づかずに現場の安全・品質が劣化していく

物流の現場で何年間、毎日仕事を続けていくと自分なりの仕事の要領を得て、以前より早く仕事が片付けられるようになってきます。 自分では、仕事がスムーズにできるようになったと感じているでしょう。 しかし、これは仕事が正しく、早くできる能力が上達したということなのでしょうか? 物流現場の誤解 経験を重ねると、その仕事の習熟度も高まり、精度、品質、効率も良くなってきます。また、次の作業を考えながら目の前の作業を進めていくので全体的な仕事の効率も良くなってきます。 仕事の段取りも良く

    • 自動フォークリフト開発は期待と疑問がたくさん

      国際物流総合展で見た自動フォークリフト 東京ビッグサイトで開催された国際物流総合展へ足を運んだ。 物流効率化において自動化は不可欠な技術であることからフォークリフトの自動化の動向は注目しており、どれくらいのレベルまで自動運転が進化しているのかは関心が高く、期待をしていた。 会場では、大手メーカーが、4トントラックへの自動荷役やAGVやAMRなどの搬送ロボットへの積み降ろし作業も実演されていた。 一部企業で日本初の実運用を開始したという報道も目にしたところである。 あまりに

      • 面倒に感じる作業には理由がある。

        面倒… 物流現場の仕事で面倒に感じる作業がある。 ひと手間が多いんだよ。 なぜ、そんな作業をやるようになっているのか? もっと簡単にやれるじゃないか… なぜ、こんなことをやらないといけないのか… 本来ならば簡単にできるはずなのに… いちいちやらないといけないのか… 面倒だな… 「ひと手間」 なんてことを考えてしまう場面があると思います。 でも、その「ひと手間」はやるべきことと決められています。 なぜでしょう? 「なぜ、やる必要があるのか」を考えてみましょう。 それは、事

        • 女性が活躍する物流現場の実現へ

          物流事業の今後今後の物流事業は労働人口の不足から女性、シニア層の活躍が重要になってくる。 先日、物流企業の女性活躍推進による企業の意識改革・働き方改革について考える機会があった。 物流・ロジスティクス分野での女性の活躍は欠かせないものであると同時に事業を成長させていくためには、女性のみならずシニア層、外国人も含めた活躍の場を創造していくの企業にとっての大きな課題だと思います。 参加してみて感じたことこの課題に関心のある女性がいかに多いのかをあらためて認識させていただいた。

          物流現場の「日報」でできること

          物流現場には多くの日報や管理票、点検表などがある。 上手に活用すると、日報を書いている本人だけでなく、職場にとっても多くのメリットがある。 振り返りの習慣ができ、次の仕事へ活かすことが出来る。 工夫をすれば素敵なツールになるということだ。 ただ、残念なことに多くの物流現場では作業開始前の確認と作業終了時の確認に使われていることが多い。 つまり、仕事を始める前の状態確認がされ、確認という行為をすれば○印を付ける。そして、仕事が終わり片付けがされると「やりました」という報告の○

          物流現場の「日報」でできること

          多様性の時代だから、物流現場で働く

          物流現場は誰でも働けるようになる物流現場って暗い倉庫の中で力仕事と汗にまみれた昔からの男性職場ってイメージありませんか? 今の物流拠点は、明るく、空調もあり(汗ひとつかかないとは言わない。それはいろんな職種で共通)、働く環境がどんどん良くなってきている。 作業面でもバッテリーフォークリフト、電動ハンドリフト、ピッキングカート、自動送コンベア、AGV(自律型搬送ロボット)、自動倉庫等、体力的に不利などと言われた時代もあったが、今ではそれをカバーする機器や設備などが充実している。

          多様性の時代だから、物流現場で働く

          変化点に対する準備

          物流展で感じたこと大阪の物流展へ足を運んできたが、多くの来客でとても活気付いていた。 3会場にまたがる展示会は久々にかなりの盛況ぶりであった。 東京で開催される展示会と比べるといい意味で泥臭さがあり、個人的にはとても好きである。 今後の動向を見据えた各メーカーの得意分野でアピールがされていた。 講演でも物流2024について関連づけたものも多く、頭を整理しつつも一緒に違和感も覚えた。 物流はつながっている。全体をコーディネートする人は誰なのだろうか? いよいよスタート4月に入

          変化点に対する準備

          最近「物流」という言葉を多く聞き、気になっている人へ「物流」をわかりやすく解説

          よく耳にする「物流」テレビやSNS、雑誌などで『物流』という言葉をよく聞くようになりました。 「モノが届かなくなるんですか?」 「ドライバーの人が不足している状況を知らなかった。」 などとこれまでに物流を意識していなかった方々で会話がされています。 物流の大切さと認知度が高くなってくることは良いことです。 しかしドライバーだけが物流ではありません。 そこで、できるだけ簡単に「物流」のことをみていきましょう。 物流は、大きく分けて4つ「物流」と一言で言いますが、いくつかに分か

          最近「物流」という言葉を多く聞き、気になっている人へ「物流」をわかりやすく解説

          自動フォークリフトの可能性と期待

          自動フォークリフトを見たある展示会で自動フォークリフトを見る機会があった。 今の先端の技術でどのレベルまで進んでいるのか興味津々であった。 拝見した自動フォークリフトはロボティクス技術を応用しており、ランダムな方向に置かれた複数の貨物も映像認識とセンサーで位置認識して車体が向き合う角度を変えてフォークを差し込めるというデモンストレーションをしていた。 大きく進歩している以前見た自動フォークリフトは出荷ラインの設備搬出の定点から自動倉庫の入庫口の設備投入の定点に搬送するものだ

          自動フォークリフトの可能性と期待

          仕事の質ってなんだろう

          仕事・作業の品質仕事を進めていく時に、どんなカタチでもよいというものではなく、相手が求める要求を満たすことが必要になります。 ただし、ムリな要求を丸呑みする必要はありません。 与えられている条件や制約の中で、今できることを行い、相手が求める要求を満たせば良いのです。 その時に同じ「ヤル」ことでも質が異なります。 しっかりと挨拶できているか、適当に挨拶しているのか 届けば良いという考えで、モノを配送する。 お客様な大切なモノとして配送するのでは違いがあります。 これが品質の優劣

          仕事の質ってなんだろう

          現場も問われる物流DXの後

          物流20244月に向けて環境や条件が整備されてくる。 いままでのムリや非常識が少しずつ是正されてくる。 一方で待っているお客様に届けられない苦悩がある。 最近では、報道にも多く取り扱われ、一般の方々には、知られていなかった実情が広くの方々に知られるようになった。 状況を共有することが、これからの変化の受け皿になっていく。 課題解決に向けた物流DX労働人口、労働時間の減少に対応できるように、各社が、IT人材の確保をすすめて早期実現と導入を図っている。 DXによってAIなどを活

          現場も問われる物流DXの後

          物流現場に眠る財産

          実際の物流現場実際に物流現場を観てみると、手書きで記録した管理帳票や作業指示書を使いながらもカン・コツ・経験に頼った仕事が根強く残っています。 それは、現場管理帳票の目的が、「毎日確認しなさい」と指示されたことを記録に残し、確認してもらうためのものになっているからである。 そして多くの場合、毎日繰り返している仕事の中で、いつも「同じ」で違うことは起きないし、もしあったら、気付くという前提で処理されている。 多くの管理帳票の使い道多くの管理帳票は、月度ごとに整理して、きれいに

          災害時には物流・ロジスティクスの活用と活躍に期待する

          地震発生から2週間ほど経過するが、 災害に遭われた方々の姿を見るたびに心が痛みます。 様々な情報があり、画像を見て感じることがありました。 避難生活のつらさと過去の振り返り 避難所は約400箇所、23,000人の人が避難している。うち学校などが避難所として130数箇所が使われているとのことだ。 学校生活を離れて久しいが、冬の体育館は寒々しく足先が深々と冷えていたのを思い出す。 非難されている方々は、心身ともに辛い環境の中で耐え凌いでいるのだと思います。 テレビなどでは、「

          災害時には物流・ロジスティクスの活用と活躍に期待する

          変化するのだから発想を変えましょう!

          物流2024ここにきてニュースや情報番組でも「物流2024」について伝えられるようになってきた。 2024年4月からトラックドライバーの時間外労働時間が960時間を上限として規制されることにより労働時間が短くなり、輸送能力の低下により「モノが運べなくなる」可能性が出てきます。と伝えています。 ドライバーの変化、輸送の変化対策をしなかった場合には輸送能力が14%不足する可能性があると試算されています。 予測されることとしては、 ・これまでの当たり前に思われていたニーズに応えら

          変化するのだから発想を変えましょう!

          物流品質〜崩れたケーキから考えること

          報道からクリスマスケーキが崩れた状態でお客様に届いたという報道があった。 何ヶ月も前に予約をして、その日に食べることを楽しみにしていたものが、崩れていたのだ。ショッキングなニュースだったと思う。 どんなに素晴らしいものを販売しても、お客様に満足していただいて初めて完了となる。 今回の件では、考えるところが多くある。 崩れたケーキの影響「原因が特定できなかった」との会見があった。 残念である。 お客様は、「クリスマスの日に大切な人たちときれいな美味しいケーキを分け合って食べた

          物流品質〜崩れたケーキから考えること

          小・中学生にもっと物流を知ってもらいたい

          物流はどうなっていくんだろう小学生に「物流って知ってる?」と聞いてみた。 「知ってるよ。トラックの運転手さんだよね。」 「トラックの運転手さん以外でどんな仕事がある?」 「知らない。」 今度は、「お店にある品物はどうやってここに来るの?」と聞いてみた。 野菜は農家が、魚は漁師が運んでくると答えた。 家で欲しいものがあったら、Amazonの人が持ってくるとの回答も。 どうもそれを作ったり、手に入れた者が運んでくると理解していて、職業や機能とは結びついて理解はできていないようであ

          小・中学生にもっと物流を知ってもらいたい