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往復40キロのバイク通勤が楽しくなる趣味2つ
私め、片道20キロ・30分のバイク通勤をしている。バイクの免許(A1-普通2輪)も車の免許(B2-日本で言う第二種運転免許)も、こちらの自動車学校に通い取得をした。
通勤以外に、夜に習い事に行ったりするので、バイクに乗っている時間が毎日概算で1時間以上、しかもその半分が両側田んぼの道路である。
アスファルト舗装されているので、乗り心地はいい。ただ、冬は寒い。田んぼの道は、建物が並ぶ道に比べて体感温度がグッと下がる。
あと、バイクに乗っている時間が長いと、普段考えないことを考えたり、過去の出来事を思い出したりする。Noteを書くようになってからは、執筆してみようかなと思うテーマがふっと浮かんでくるようになった。(家に着いてしまうと冷静に考え直して書かないのだが。)あとは、過去の恥ずかしい失敗や黒歴史を思い出す確率が高く、そんなときは、恥ずかしさを打ち消すために「ああああああああ!」と一人で小さく叫ぶ。近くを並走している他人から見たら、急に叫び出す私は様子の可笑しい人だろう。でもいいのだ、マスクもしているし、どこの誰なんてわかりっこない!
バイクが危ないと言われる大きな理由は、運転者の身体を守る物理的なプロテクターがないことである。この特徴を言い換えれば、全身が外気に触れ、視界が開けている、ということ。
これらの特徴を活かし、私が通勤中楽しんでいることがある。
田んぼ道通行中の趣味:季節の移ろい
まずは万人受けするものから。外の空気に包まれて、温度や湿度、太陽の高さと影の長さ、田畑の農作物の色・匂いの変化を楽しむ。毎日通る道だからこそ、遠くの山の木に花が咲いたな、稲の背が高くなったな、雨が多いから池の水が多いな、という風に自然と景色の変化に目が行くようになる。
以前書いた投稿に差し込んだ写真も、通勤中に出会って心が喜んだ景色たちである。
田畑や池、湿地沿いの道路を通っていくので、季節ごとに様々な花が色付く。今この花が見ごろであれば次はあの花が咲き始める、というように、毎年ほぼ同じ順番でそれぞれ見ごろのシーズンを迎えていく。
通勤中に撮った写真たち一部。
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大通り通行中の趣味:道行く車両の省ナンバーウォッチ
先ほどは田舎道を通っているときに楽しむ趣味だが、ここからは工業団地にある職場付近の大きい、車通りの多い道路に出てきてから楽しむ趣味である。
ベトナム人は電話番号でも車両ナンバーでも、とにかく縁起の良い数字やその配列が大好物であり、超高値がつく。だが私はそんなものに興味はない。
日本の車両ナンバーには、「品川」とか「足立」とか、漢字で記載されているが、ベトナムはそれぞれの省(中央直轄市)に該当するナンバーが振り分けられている。二輪車はそれに加え、省(中央直轄市)のどこの地方かを示す記号も記載されている。
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あえてベトナム人が好きそうな二輪車ナンバーを例に、解説する。
①29:車両のナンバーの登録した省もしくは中央直轄市を示す。つまり省ナンバー。29はハノイである。
②C1 : 上記の省もしくは中央直轄市内の区・県・市などを示す。C1は旧市街で有名なHoan Kiem区である。
③999.99:車両ナンバー
私は主に①のナンバーをチェックするのが好きである。住んでいる省のナンバーがほとんどでしょと思われがちだが、工業団地での仕事を求めてベトナム北部や中部から労働者が集まっているため、観察のし甲斐がある。もちろん、中古車両を買った可能性もあるのだが、通勤中にバイクや車のナンバーを見ると、具体的にどこの省から来ているワーカーが多いのか統計がとれてくる。
去年ベトナム最西端に位置するDIEN BIEN省に陸路で行ったのだが、果てしなく続く山道や峠に目がくらみそうになった。こうした経験もあるので、ふとDIEN BIEN省のナンバーがついたバイクを見かけると、彼らは永遠と続くかのように思われるあの峠をバイクで越えてここまで働きに来ているんだな…としみじみ。
他にも、自分が行ったことのない省のナンバーを見ると、あのバイクは地元でどんな景色の中を走ってきたのだろうか、想像すると少し楽しくなる。仕事や子育てで気軽に旅に出れない私が、満たされない好奇心を持て余すあまり発揮している想像力である。
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この趣味は私の想像(妄想)癖によって楽しめているだけである。道で見かけるナンバーがどこの省のものか頭の中ですぐ出てくるように、以前全国のナンバーを全て暗記した。夫は大変呆れていた。
現在、夫の地元で見かけた車両ナンバーの全国コンプリートを目指している。通勤中にレアなナンバー(中南部や南部、今は廃止されたナンバー)が出ると、平静を装って運転しているが頭の中で大興奮である。
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以上が現在の私のバイク通勤中の趣味である。周りの人々には、車で通勤したらいいのに、とよく言われるが、私はバイク通勤が嫌いではない。工業団地から自宅付近まで送迎バスがあったら利用していたかもしれないが。雨の日や真冬真夏は大変だが、車より全然小回りも効くし、渋滞にひっかかる時間も少ないので、せっかちな私にはうってつけな交通手段である。通勤中の楽しみは引き続き模索していきたい。