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「読書酒紀」 8回目 放送後記

※番組が終わるたびに、パーソナリティが番組の感想を語り、番組中に取り上げた本のリンクと紹介をしていきます。

回目リンク

読書酒紀第8回、初めて後攻を担当させていただきました瀬山です。
今回の収録は反省のとても多い回になりました。まず、音質があまりによろしくない。セミが…。
今回音声の編集を担当したのは私なのですが、セミの大合唱をノイズとして処理しようとすると全体がマスキングされたかのようにくぐもってしまい、結果としてほぼ生のセミ声をお届けする形になりました。野中さんとは夏に屋外での収録は控えようという話になりました、暑いですしね。

加えて話している内容も飛躍だらけで、如何に酩酊状態にあっても許される範囲は越えている感じでした。
特に磯崎新氏の『空間へ』から引用した「被膜」というワード。磯崎氏は、プラスティックやエレクトロニクスの技術を用いて木材やコンクリートいった構築的な材質を覆うことを「被膜」と呼称しています。その延長として、建造物が、都市という外部から内部環境を保護する、すなわち環境を梱包する「被膜」であるとしています。
番組内では人間それぞれが身体的な不快さを感じずに許容できる空間のように言い換えていますが、完全に誤謬でした…。理論飛びまくりです。
不甲斐ない回にはなってしまいましたが、これからも何卒よろしくお願いします。

今回紹介した2冊の本(+1冊の児童書と1本の映画)

・『空間へ』磯崎新 著
建築家である磯崎氏による「日付のついたエッセイ」。時として小説・詩・手紙と形式を変えて立ち現れる磯崎氏の建築思想に感覚的に触れ合える一冊である。
冒頭の鮮烈かつ奇妙な「都市破壊業 KK」や、都市内部での断絶が激しい現代につながる「梱包された環境」などがオススメ。

・『ウォールデン 森の生活』ヘンリー・デイヴィッド・ソロー 著 飯田実 訳
エコロジストの先駆者、アメリカ的セルフメイドマンの代名詞であるソローの代表的著作!
月給の半分を支払ってようやく雨風をしのげるなんてナンセンスであり、分業制に支えられた現代社会・資本主義経済から即刻離脱して自給自足の生活をしよう!!

英米文学部時代に聞いた話ですが、ソローはウォールデン湖で暮らした2年間に度々知人と会っていたそうです。本書にはそのことは書かれていません。

・『家って何だろう(くうねるところにすむところ)』益子義弘 著
建築家である益子氏による児童書形式で書かれた柔和な建築論。
西洋化され、扉によって閉ざされた現代日本の家屋と、襖によって仕切られた開放的な古式ゆかしき日本家屋が対比されている。
風の抜ける畳の上で昼寝したくなるような一冊。

・『パーフェクトブルー』今敏 監督
少しでも内容に触れようとするとネタバレになりかねないので、軽い感想だけ。
女性の皆様は日々このような視線にさらされているのか、と本当に恥ずかしく情けない絶望的な気持ちになれる作品です。男性陣は是非視聴の上、自分たちのぶしつけな視線を反省しましょう。

『読書酒紀』番組URL
https://open.spotify.com/show/36X5GlyHQcAavgvrcUvIf2

お便りフォーム(いただいたお便りは必ず番組で紹介します)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf5FXfc1gEew5YN27tg3rdPEa-AZgViEM0khg_QiHzSCQukVw/viewform


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