「読書酒紀」 15回目 放送後記 テーマ:無電
※番組が終わるたびに、パーソナリティが番組の感想を語り、番組中に取り上げた本のリンクと紹介をしていきます。
15回目リンク
読書酒紀第15回、今回も先攻で話し手を務めました瀬山です。
今回のテーマはラジオ、表記上は「無電」としています。
振り返りの前に、先ず謝罪を。本編で『「声」の資本主義』冒頭で触れられていた作家を田山花袋だと思い込んでいましたが、永井荷風の勘違いでした。大変申し訳ございません。
気を取り直して、ラジオ本編についてですが、正直今回の語りには全く自信が持てません。
なんせラジオという媒体が好きなもので、嫌いなものの粗は探せるのに、「何故好きか」の言語化をしようとするとすぐにポエジー頼りになってしまって、良いよね!で終わらせてしまいがちです。これではアウトプットとは言えません、修業が必要ですね。
最近はラジオ番組も個人製作のものまで含めると膨大な量になり、大戦期のような共通の文脈を共有できるような媒体ではなく、極々個人的なものになっています。その分、内容よりも何を聴いているかを共有する過程が重視されているように思われます。
私にとってのラジオは、母の車の中で流れていたFM NACK5でした。免許を取得して、自分で運転するようになってからも、ついFM NACK5を流してしまいます。習慣化されていて、聴き始めると意識が運転モードに切り替わります。まさにやる気スイッチです。
本稿を読んでくださっている皆様はどんなラジオを聴いて、どのような関わり方をしてきましたか?是非お聞かせください。
コメントお待ちしております!
今回紹介した3冊の本
①『「声」の資本主義 電話・ラジオ・蓄音機の社会史』吉見俊哉 著
テレビにあやされ、スマホに育てられてきたZ世代は、聴覚環境も視覚環境も常に何らかのメディアにジャックされているに等しい。
であれば、好きなミュージシャンの音楽的背景を調べるように、メディアそれぞれの持つ特性を理解しておく必要があるのではないか。
イヤホンを装着しつつ読んでほしい一冊。
②『小さな黒い箱』フィリップ・K・ディック 著 大森望 編
SFの金字塔フィリップ・K・ディックによる短編集。本編では表題作である「小さな黒い箱」を取り扱った。
個人的に最もオススメなのは「待機員」である。
AIによる政治体制が確立され、ほぼ必要とされることのない「AIの待機員」に任命された人間が、宇宙人の侵攻によりAIの機能が一時的に停止したことで、突然降ってわいた権力と仕事の魔力に取りつかれる話だ。
③『ラジオ・ガガガ』原田ひ香 著
シナリオライターから小説家に転身した原田ひ香氏によるラジオをテーマにした短編集。
生活の傍らにラジオがある人、人生の岐路に戸惑いラジオで気を紛らわせる人、むしろラジオから流れてくる同級生の活躍に過ぎ去った岐路を振り返る人。
ラジオは楽しくて、いろんなものが詰まっていて、あなたに小さな手助けをしてくれるかもしれない。
*『読書酒紀』番組URL
https://open.spotify.com/show/36X5GlyHQcAavgvrcUvIf2
*お便りフォーム(いただいたお便りは必ず番組で紹介します)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf5FXfc1gEew5YN27tg3rdPEa-AZgViEM0khg_QiHzSCQukVw/viewform