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「読書酒紀」 20回目 放送後記 テーマ:徒歩
※番組が終わるたびに、パーソナリティが番組の感想を語り、番組中に取り上げた本のリンクと紹介をしていきます。
20回目リンク
修士論文の提出を終え、ほっとしているパーソナリティの野中です。遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年も引き続き、細々と続いているこの番組「読書酒紀」をどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回のテーマは「徒歩」です。番組の20回を記念して、普段深夜の公園を徘徊している私たちが「徒歩」について語る回となりました。
「徒歩」は現代社会において注目されるライフハックの一つだと言えるでしょう。歩くことは軽い有酸素運動としてが効果があり、思考のスピードを緩めることで多くの恩恵をもたらすとされています。今回は、月に一度のこの番組の収録のために、深夜の公園を2時間以上歩き続け、散歩の利点を実感している2人が、歩くことの意義とその適切な価値の見出し方について考察しています。
前回の瀬山くんの回も含め、過小評価されがちな徒歩についての議論を、気軽にお聞きいただければ幸いです。個人的には自分の個人的に好きな作家である渡部昇一について話ができたので、満足感のある回でした。渡部さんの著作はビジネスパーソン向けに書かれていて気軽に読めるものもたくさんあるので、興味がある方はぜひお手に取ってみてください。
ところで、実はこの回では、私、野中が修士課程のレポートと修士論文の構想を進めている最中で、かなり疲れていたため、瀬山くんに多くのサポートをしてもらった印象があります。お聞き苦しい点があればお詫び申し上げます。年末のレポート期間にラジオ収録がある際は、早めの準備が重要だと痛感しました。皆様もご注意ください(笑)。
今回紹介した3冊の本
①『歩く』、ヘンリー・ソロー 著、 山口晃 訳
ソローについては、パーソナリティ二人のなかではすっかりトラウマとなっている「部屋」の回で、瀬山くんが『ウォールデン 森の生活』を取り上げていましたが、読むたびに「変わった人だな」という印象を受け続けてきています。苛烈な自然主義者で、神秘主義者のような側面もあり、そして優れた教養も感じさせされる、そんな人物だと思っています。
そんな特異な主張に彩られた彼の文章に興味を持ち、大学生の時に伝記を読み、彼がものすごいエリートで、交友関係も広く、家族からも愛された人だと知り、「この文章を書いておいて真人間なのはずるい」と憤った記憶があります。彼の著作はその苛烈な主張を真に受けすぎるのではなく、彼の人柄も込みで、良質なエッセイとして、緩やかに楽しむことをお勧めします(偏見)
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②『孤独な散歩者の夢想』、J-J. ルソー 著, 今野 一雄 訳
ルソーは本当にいろいろな意味で大変な人です。この本が代表作の『告白』を読むとそのことがよく分かると思います。この2冊では、人間不信で社交界への強烈な嫌悪感を書きつつ、『社会契約論』『エミール』などの著作で啓蒙思想の大家として活躍もした人物として、今日の視座から見るとルソーは非常に多元的な人物として映ります。
近現代社会の大まかな見取り図を描いた人物として、いまだに反近代主義者たちから目の敵にされている人ではありますが、彼の著作を読んでいくと、彼の主張には非常に細かい陰影が含まれていることに気づきます。中でもこの本はルソーの孤独と皮肉と人間不信などの要素が雑多に入り乱れた本として、彼の多様な一面がきれいに出ている本だと思うので、興味を持った方は読んでみてください。文庫本で、短いですし。
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③『クオリティライフの発想』、渡部昇一
本編でも話しましたが、パーソナリティの野中は、渡部昇一の著作を教養主義者としてのマインドを忘れないために、定期的に摂取するようにしています。この本は時間がないビジネスマン向けに書かれたもので、読みやすいですし、読んでいると元気になるカラッとした文章が魅力的な1冊だと思います。詳しい話は本編でしましたが、何かクリエイションをしたいと思っているビジネスマンには読んでみることをお勧めします。(あと、書籍内にある表紙っぽい絵がシュールでかわいいです!)
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