ネットの炎上事件から日本人の凋落を考えてみる。
昨日Twitterで見かけた、靴下屋さんの広報の方と、女性たちとの間にあった揉め事について書いてみようと思う。
(さっき確認したら靴下屋さんが謝罪広告を出したものの、全くターゲット層とは関係のない、よく立場の分からない男性と思しきアカウントが『謝るべきではない』など言っていた)
私は今、職場においてストッキングを穿くことはない。半分ガテン系の販売職なので。
ただし、過去には制服で、毎日ストッキング+パンプス(ヒール高3cm以上)を着用しなければならない仕事をしていたこともあります。
その際にはきちんとした国内メーカーのものを穿いておりました。安物はすぐに破れてみっともないし、クソ忙しいときに破れるのは困るので。
アツギさん(これも不買運動されてたな)とか福助さんとかね。
なので、買いもしない人間がなんか言ってる、とかではありません。
確かに、忙しい朝の着替えのときに、あの四角い厚紙を抜こうとして破けるときがある。
そんなことは2度も3度もあった。欠けた爪が引っかかってのときもあったし、必ずしもあの厚紙のせいばかりではない。
それに、あれだけの薄さのもの、破けるのも仕方がないよ。そこは認める。こちらも急いで引っ張っているかもしれないし。
穿く方もそんなのは理解している。当たり前だ、毎日着用しているのだから。
始まりは、そんなことを女性同士で話しているときに、突然この企業アカウントが割って入ったのだそうだ。
破れないストッキングは作れない!とね。
おや、このアカウント自身が発端か。
その後の対応も拙かった。
企業アカウント、広報ともあろう者が。
仮にもお金を落としてもらってるわけでしょ?
礼節ってなんですか?
言ってしまえば、これは買う人(女性たち)とメーカーさんとの問題だと思うんですね。
丈夫すぎると工場で指が飛ぶとか、実際にそうとかそうじゃないとか、そんなことはどうでもよくて(所詮、思考実験だし)
製品試験の結果を聞いてるのではなく『お客さま対応』としての話を女性たちはしたかったわけで。
このアカウントで回答された方は、だから広報とかお客さま対応は向いてないかもね。工場で製品開発に回った方が向いてると思う。
つまり、百歩譲って破れるのは仕方がない。
だとしても、もう少しお客さまに寄り添った回答はできませんかね?というところで炎上したんだと思うのですが。
それから、今回は外野(よく立場の分からない男性)の煩さにも閉口した。
私も今はストッキングを使用している立場ではないので、ここで書いている以外に口を挟んではおりません。
なのに、何故、あなたたちが分かったような顔をして口を挟んでいるの?
それがとても不思議なんだ。
どう考えても、そこで口を挟むことで争いはエスカレートしていくし、エスカレートするのは良くない。当たり前だ。
誰かと誰かが争うのを見ていて、何が面白い?
争うことで何があなたの得になるんだ?
男性はみんな教えたがりなんだ、とは昔からよく言われる。
だけど、引くべきところは引かないと。
間違えた知識を得意げに(しかも当事者たちを前にして。あの震災のときの生理用品の扱いなど、その極みだ)披露して恥をかく。
匿名であるネット社会、かいた恥はかき捨て。
昔は旅の恥はかき捨て、と言ったものだけど、今やネットの恥はかき捨て、なんだね。
♡♡♡
日本人の民度が下がったと最近よく言われる。
外国人(で日本人と見分けのつかない方)が増えたからだ、若い人たちが我儘だから、いろいろ見解はあるだろう。
私自身はネット社会も原因にあると思う。
この企業アカウントの主も、店頭で顔を出して接客をする立場ならば、こんなことはできないだろう。
顔が見えない=個人が特定されることはない(まずその早計が浅はかとしか言いようがないのだけれど)→ なにをしたって大丈夫だ!という無敵感 ── それがこのアカウントの主と、よく分かりもしないくせに口を挟んでくる男性たちを強気にしている。
全てがそうだ。
暮れのスーパーやホームセンターで無理を言って暴れるモンスターカスタマー。
大型店舗では店員がお客さまを個人として識別するのはかなり難しい。
つまり、ここでも匿名なのだ。顔は出しているけれど。
近所の馴染みの店でならこんな風に暴れることなどできないはずだ。人間関係があるからね。
情けない。
顔を隠してないと強気になることすらできない日本人。
自分が礼を尽くすべきものを見失い、易きに流れ、顔の隠れる場所では急に居丈高になる。
もう凋落は待ったなしだ。
私たちに『立派な日本人』としての未来は、きっともうない。