図書館本47冊目 『下町サイキック』吉本ばなな 259P
吉本ばななさんの本は、私が二十歳前後の頃にとても話題になっていた『キッチン』を読んだきり。(36、7年くらい前…?)
『吹上奇譚』シリーズに出会うまで、吉本さんの他の作品を読んだことがありませんでした。
『下町サイキック』は、「サイキック」と言う言葉に引っ張られて読みたくなったのだと思います。
「サイキック」、"psychic"を辞書で引くと、名詞として ” 霊媒、みこ、超能力者、心霊現象に敏感な人… ” と出てきました。
言い方を変えると「下町霊媒師」。
「下町」という言葉がないと、ちょっとコワイ…
主人公の女性「キヨカ」がサイキックです。
サイコパスではないです。「サイコパス」だと、「下町」と付いてもコワイ…
ゾッとする事柄がちらちらと出てきますが、それは霊に関することでは無く、生きている人間に、です。
私自身のメンタルが、ちょっと弱ーくなってしんどい時に、この本で重たい話を色々読むことになりましたが、気持ち良いくらいにスイスイと読み進んでいました。
通勤電車での読書が私の習慣なのですが、この本の世界にいたくて、家でも寝る前に読んでました。
キヨカの能力で空気を清めているフリースペースの「自習室」や、後にキヨカのパートナーとなる男性の、外観も内側も変わっている家の様子が素敵なんですが、残念ながらその素敵な感じが私の想像力で間に合っているとは思えません…
その家、見たい、空気を感じたい~
こういうスペースが、読んでいて重たい話の避難場所になってくれたり、何かモヤモヤが浄化されていくような安心感を与えてくれているようです。
そういういい感じの場所や、いい感じの人たちが色々出てきますが、
大好きな登場人物は、断然犬の「クロ」です。(人物、ではないですね…)
『吹上奇譚』の町や、この下町にあるような、何かを抱え込んでいながらも安心して集える空間に憧れますが、私がその場にいることは想像出来ません…
空気を汚してしまいそう…
キヨカが私を見れば、ドス黒いモヤモヤが服を着て歩いてるように見えちゃうんじゃないかと気になります…
「あとがき」の、
「大人が痩せ我慢してでもちゃんと大人だと、子どももちゃんと子どもでいられるのです。」
という言葉、どっか、石板とかに刻んどきたいです。(そんな技は無いですが)
『キッチン』以来、一冊も吉本ばななさんの本を読んでなかったのに、新たに興味を持ったのは、旅エッセイを書かれている「たかのてるこ」さんの本がきっかけです。
吉本さん本人だったか、共通の知人の話だったかに興味を持ち、そこで「吉本ばななさん、スピリチュアル??」と記憶に残っていました。
たかのてるこさんの旅本、また読みたくなってきたーっ!
図書館で借りて、文庫になったら買わなくちゃ、と気になっていたヨーロッパ旅の本、もう買うしかない気分になってます。
このヨーロッパ旅の本は二冊編成なのですが、私は順番を間違えて後編から読んでしまったことを今だに悔しく思っているので、リベンジです。
確か、前編の方で吉本ばななさんの名前が出ていたような…
そこでホ・オポノポノにも興味を持って、何冊か読んだような…
(ホ・オポノポノ、それこそそれっきりになってますが)
たかのてるこさんの本を読み直したくなってきた『下町サイキック』読書でした。
一体、何の感想文だ~