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上条当麻と蒼月潮を比較して主人公の魅力を少しだけ考える【とある魔術の禁書目録】~後編

前回までのあらすじ。


上の記事も十分に長いので、簡単にまとめると
・「とある魔術の禁書目録」を読み始めたが、主人公の上条当麻に感情移入できない。何なら嫌悪感すら覚える。
・上条当麻はタメ口キャラだけど、そう言えば「うしおととら」の主人公蒼月潮もタメ口キャラだったよね。
と言う話でした。


では後編開始です。

「うしおととら」は知る人ぞ知る少年漫画の最高傑作だ。
他の追随を許さないぐらい熱い漫画だ。

その漫画の主人公が蒼月潮であり、彼もまた他の追随を許さないぐらいに熱い漢だ。
潮について簡単に説明すると、14歳の中学生。
勉強は苦手だが体育は得意。
嘘は嫌いで、正義感が強く、他人の幸福のためなら自身が傷つくことを厭わない。
そんな性格であり、上条当麻と何処が似ているのかと言えば、タメ口キャラと言うところである。

「うしおととら」を最後に読んだのが、もう何十年も前の話になってしまったので、詳細は覚えていないのだが、潮は誰に対してもタメ口だった記憶がある。

鏢や徳野、流に対して遠慮なくタメ口で話していた気がするが、このタメ口に対して不快感を覚えた事は一度もない。
反して、上条当麻のタメ口には不快感が募る。

この違いはどこから来る。

上条当麻のタメ口を少しだけピックアップしてみる。

「とある魔術の禁書目録」の2巻から吸血鬼の話がでる。
この吸血鬼という単語が出てきた時の上条当麻の一言が

「お前、それ本気で言ってんのか?」

だったのだが、いやお前こそインデックスがした魔術の説明くだりから少しは学べよと思ってしまったのであるが、自分の無知を棚に上げての完全否定が痛々しい。

次に、とあるビルにとある魔術師と(半ば強引に)潜入させられる事になった際に、無策で突入しようとした魔術師に一言。

「ちょっと待て。まさか正面からお邪魔すんのか?もうちょっと策とかねーのか、気づかれないように侵入する方法とか安全に敵を倒す方法とか!」

と声を荒げた訳であるが、まあこれはステイルがちょっと悪い。

更にそのとあるビルの中で死にかけの人を見つけた時に近くにいた人物に言った一言。

「───何やってんだよ!さっさと救急車を呼べって───ッ」

と見知らぬ人物にこの命令口調である。
命令する前にお前が呼べと思ってしまった。

ここまで書いてみてようやく気づいた。
上条当麻のタメ口は蒼月潮のタメ口と根本的に違う。
ニュアンスとしては、諸星あたる寄りのタメ口だ。
潮と比べるべきものでは無かった。

長々と一体私は何を語りたかったのだろう…。


気を取り直して、そろそろ結論に移ろう。

蒼月潮だったら、行き倒れていた人物に対して絶対に腐った料理なんか振る舞わない。
なけなしのお小遣いを握りしめておやつを買いに行く途中に行き倒れの人物に出会ったのなら、潮なら間違いなく、おやつを諦めて倒れていた人物の為に自分のお小遣いを使うだろう。

潮はそんな人間だ。

そんな人間だからこそ少年漫画の最高傑作の主人公になり得た訳だ。

反して上条当麻はどうだ。
行きずりのインデックスに対して腐った焼きそばパンを食べさせ、その後インデックスが立ち去った後に、それでも繋がっていたかったと未練たらたらな男であり、この段階では人間として未成熟。

潮と比べるべくも無かった。

「とある魔術の禁書目録」は上条当麻の成長の物語なのだろうか。
いずれインデックスに対して腐った料理を振る舞った件に対して上条当麻が真剣に謝罪するのであれば、素晴らしい物語になる要素は十分にあると思われるが。
さてさて。

そして2巻の段階で既にインデックスは上条当麻に好意を寄せているが、彼の何処に惹かれる要素があったのだろうか。
分からなかったのは、単に私の読解力不足だろうか。

何にせよ私は既に5巻まで購入しているので、5巻までは頑張って読んでみようと思う。

そしてそれ以降「とある魔術の禁書目録」の感想を書かなければそう言う事だったのだと察していただけたらこれ幸いなのである。




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