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[エッセイ]ここ20年のRPGで感じる進化と失望:見た目だけのゲームが並ぶ

この20年でRPG(ロールプレイングゲーム)の進化は目覚ましいものがあります。グラフィック技術が格段に向上し、現実に近いほどの美麗なビジュアルでゲームの世界が描かれています。

しかし、その一方で「中身がない」と感じる場面が増えてきました。見た目の美しさに力が注がれる一方で、肝心のゲームプレイやストーリーテリングが犠牲にされている印象です。

まず挙げたいのは、ムービーや台詞の長さです。
かつてのRPGは、プレイヤーが主体となり物語を進める能動的な体験が特徴でしたが、最近の作品では、長時間のムービーや大量の台詞でプレイヤーが受動的にストーリーを見せられることが多くなっています。確かに映画のような美しい映像やドラマティックな演出は魅力ですが、これがプレイ時間のかなりの部分を占めると、ゲームのリズムが損なわれ、退屈さを感じることが少なくありません。

それに関連して、拘束時間の多さにも疑問を感じます。かつてのRPGは、短時間でも楽しめる設計が多かったのに対し、最近のゲームは異常にプレイ時間が長く引き延ばされています。
ムービーの他にも、無駄に感じるお使いクエストや、ただ進行を遅らせるだけの冗長なシステムが目立ちます。

これはプレイヤーに「時間を奪われている」という感覚を与え、ゲームに対するモチベーションを削ぐ原因となっています。また、それがストレスにも繋がっている。

「昔のRPGに立ち戻る」というスタンスでリリースされるゲームも、しばしば失望を招きます。懐かしさを売りにしたタイトルが増えているものの、単なる焼き直しに過ぎず、オリジナルの魅力を劣化させたバージョンが多いのです。

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