高齢な親の介護日記⑰
2024年12月4日 水曜日 晴れ
先週の金曜日、父は友達(80代女性Aさん)と映画をみる約束をしていた。その友達とは私ともLINEで繋がっているので、待ち合わせ時間と場所を直接Aさんに確認すると、映画館前に11時に待ち合わせとのこと。
父はAさんが女性ということもあり、娘である私ではなく施設の職員さんに、映画館までバスで行く方法をメモに書いてもらっていた。
しかしそのメモに書いている約束の待ち合わせ時間が12時になっている。
「お父さん、待ち合わせ時間は11時じゃなかった?」
と聞くと
「お昼に待ち合わせだから12時でも11時でもどっちでも構わないんだ」
と言う。
しかしAさんは12時25分からの映画を見逃したら、その日はもう映画は見れないと言っていたはず。
私はメモを11時待ち合わせに修正して、バスに乗る時間も1時間早く修正して父に渡した。
金曜日は私は仕事なので父をバス停まで見送れない。
とても心配だったけど、久々に約束をした父は明るく、いつもお風呂で頭を洗うのを忘れるのに昨夜は頭も洗っているようなので、良かったなと思う。
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さて、金曜日。
私は仕事をしながらiPhoneを探す機能で父を見守った。
10時頃、父は無事にバスに乗れているのがわかり、とりあえず安心する。
しかし10時半頃、父は降りるべきバス停の2個手前で降りてしまったことがわかる。
私は慌てて、Aさんに父の位置をLINEでお知らせし、
Aさんが父を迎えに行く事で無事に2人は会えたもよう。
良かったよかった。
その日の夕方、仕事を終えてから父に会いにいくと、
父は今まで見た事がないくらい、はつらつとした笑顔で、映画面白かったわと何度も言っていた。
映画の内容を父は本当に理解できていたのだろうか。きっとAさんが何度も父に、本当に面白かったわ!と言っていたから父もその言葉を復唱してるのだなと、少し意地悪な事を考えてしまう。
しかしわざわざ隣町から父と映画を見に来てくれたAさんには、本当に感謝しかない。Aさんは母が亡くなってから父の心の支えになっていた女性で、かつAさんの夫も認知症と伺っているので、認知症の父の扱いにはかなり慣れておられるのだ。
前回の日記では、過去は美しい思い出のままそっとしまっておくほうがよい、あきらめも大切だと思ったけれど、認知症だからとあきらめてばかりではなくて、
うまく見守ることができたら素敵だなと思った。