【現社】大学入試における時事ネタの扱い①【政経】
(日本史のnoteのはずなのに、公民について語り始める教員がここにいる。だって、公民の指導も面白いから…!)
★はじめに
毎年、共通テスト(私大の問題)の受験指導をしていると、
「現社(もしくは政経)って時事ネタが問われると思うのですが、
毎日ニュースや新聞を読んだ方がよいですか?」
という質問を受けます。
答えは「否」です。
もちろん、ニュースや新聞に興味を持って読み解くのは大事なこと。
授業を聞いて、時事問題に興味を持ちました!と言ってもらえるのは教師冥利に尽きます(過去に生徒に行ってもらえた時は大歓喜!!!)。
推薦入試の場合は、小論文や面接では必ず役に立つかと思います。
しかし、共通テストを想定した一般入試(私大)では、
最新のニュースや新聞をじっくり読み解く必要はありません。
ましてや、ニュースや新聞を切り張りしてノートにまとめて感想を書く…というようなことをする必要は全くないです。
(ただし、時事ネタに全く触れないのと、解けない問題も発生します。)
それでは、現社・政経の一般入試(共通テスト・私大)において、
時事ネタをどのように考えればよいのでしょうか?
いくつかの考えを以下に記していきます。
考え方① 理論(基礎)から時事ネタ(応用)へという考え方が大事
生徒に、「現社と政経って何から勉強したらよいですか?」と聞かれたときに、「まずは、時代によって変わらない知識を身につけなさい。」と伝えます。
他の教科も同様だと思うのですが、基礎と応用を分けて教えるのが大事です。現社や政経の場合、基礎とは時代によって変わらない知識、つまり、政治・経済分野においてずっと大事である理論を指します。
例えば、人権分野で言えば、機会の平等と結果の平等の対比、公共の福祉における内在的制約と政策的制約の違い、平和主義における解釈改憲の考え方など、現社・政経を理解するうえで欠かせない、時代のよって変化しない本質的な知識を身につけること。これが基礎です。
一方で、応用とは、基礎で身につけた本質的な知識を用いて時事ネタを読み解くことを指します。数学で例えると、公式が基礎、問題演習が応用というイメージでしょうか…(社会の場合は公式が多すぎて、問題演習が軽視されがちなのが大問題!)。
例えば、元安倍首相の国葬問題を語る際に、租税民主主義の考え方は欠かせません。バイデン政権の成り立ちや特徴をつかむためには、そもそもアメリカの大統領制がどのような特徴を持つ政治制度なのかを理解する必要があります。さらにいえば、コロナショックが与えた経済的影響を理解するには、コロナショック以前の財政における歳入・歳出の規模やその内訳を理解し、また、今までの景気変動と比較をすることでどのような不況なのかが見抜けるわけです。
つまり、現社や政経における本質的な理論が分かったうえで時事ネタを解釈することが肝要であるということです。理論(基礎)から時事ネタ(応用)へという考え方をしないと、時事ネタの定義が膨大になってしまい、なんでもありになってしまいますからね。
私が教材研究する際に、有名予備校講師の清水雅博先生の学習参考書を良く参考にしています。そして、最近気が付いたのですが清水雅博先生はyoutubeを始めていて、大学入試における時事ネタを解説されていました。
例えば、故安倍晋三首相の実績とその評価について述べられている以下の動画が、大学入試における時事ネタを理解するうえで重要な視点を提示してくれています。
次回の記事はこちらhttps://note.com/clever_lily712/n/nb8c899597ee3
★ まとめ 大学入試における時事ネタの扱い
考え方① 理論(基礎)から時事ネタ(応用)へという考え方が大事
考え方② 他教科の先生の勘違いが受験生を誤った道へ導いてしまう