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『東京マラソン完走』前編 言い訳〜準備まで編

みなさん、こんにちは!
今年もはや半年が過ぎようとしていますが、上半期わたしが「やりきった!」と大声で言える事というと、『東京マラソン完走』です。

今回は、走ることが嫌いなヘッポコランナーのわたしが、マラソン初心者の方向けに『完走』に絞った準備や当日の作戦をお伝えしていきます。

ジョギング始めたばかり、今回が初マラソン♡とか、なんかノリでエントリーしちゃったの♪という方向けです。
多少でも参考にしていただければ、嬉しいです。

なぜ、わたしは走るのか

そもそも走るのが本当に嫌いです。
運動神経は抜群に悪い。
小学校のカッケコはいつもビリ。
逆上がりも出来ない子供で、いつも居残り練習をさせられていました。
もちろん、逆立ちもできませんでした。
動くのが嫌いな子供…それは、わたし。

現在、マラソンを完走した話をすると、結構な割合で「わたし運動神経悪いから、無理だわー」と言われますが、自信を持って言えます。
いや、わたしよりは良いはずよ、と。

では、なぜ走るのか?
それは…『食べたいものを好きに食べるため!』です。

中年になり代謝が落ちてくると、若い時と同じやり方では、痩せないどころか太りさえしますよね。
空気吸ってるだけで、太るんじゃないの?と真剣に思った瞬間すらあったり、なかったり。
「あー痩せたい…」
口癖のようにつぶやく日々。
で、旦那から「痩せたきゃ、動けー!」と激しい喝が入り、万策尽き果てたわたしが行き着いた果てが、ジョギングだったという訳です。

食欲がわたしを突き動かす!
食欲、最強!

マラソン大会にエントリー(させられる)

さらにそこから、マラソン大会にエントリーするという、子供の頃のわたしがその事実を知ったら、恐怖のあまり泣き出す行動に、突き進む羽目になります。
実際、運動会の度に、娘のあまりにも酷い運動神経を嘆いていた母は、わたしのマラソン大会出場を信じませんでした笑

いえ、わたしも決してノリノリでエントリーした訳では決してありません。
ここで登場です。
我が家の鬼コーチ(=旦那)

いつも何かしらの言い訳を考えて、ジョギングをサボろうとする。
やる気なし。いや、むしろマイナス。
「だって、走るの嫌いなんだもの。苦しいし、疲れるし、オマケに足痛いし、1ミリも楽しくないんだもの」

運動嫌いの子供だったわたしは、どうも足の筋肉の強さが均等ではないらしく、前ももばかりを使って走っているようです。
本当は、後ももやお尻の筋肉等、全部を連動させて走るのが理想なのに、わたしは1箇所だけを酷使してしまう。
その結果、常に股関節の痛みを抱えて走るという故障に見舞われてしまいました。
これも、わたしがスグに走るのをサボろうとする理由の1つです。

そんなわたしに対し、旦那は「人間目標が定まれば、頑張るはず」と考えた様です。
(ねえ、知ってる?人間みんなが前向き、という訳じゃあないんだよ)
確かに、ちゃんと練習をしなければ、42,195kmは無事に走り切れません。そのぐらいの事は、さすがのわたしでも理解できます。
で、強制的に2人一緒にエントリーという運びになりました。

ちなみに、旦那は走るのが好きとのこと。
トレイルランニングやウルトラマラソンを楽しむ、遥か彼方の違う惑星の住人です。

実はこれが、2016年の話。
今から6年前です。

わたしは今までに、4回マラソン大会に出場しています。(1年に1回ずつ)
2016・17・18年の3回完走。
2019年体調不良で途中リタイヤ。
それ以降、コロナの影響のため、世界中のあらゆる大会が中止になりました。
ので、最後に完走できたのが、4年前ということになります。

なーんだ。
全くの素人じゃないのね。
そう思われる方がいらっしゃるでしょう。
確かにそうなのですが、しかし実際は、体力走力は年々衰えていきます。
4年も期間が空いていれば、もう白紙状態、いや、確実に後退しています。

大会がなくても、いつか開催される大会のために、日々の練習やメンテナンスを怠らないランナーの方々と違い、いつも嫌々走っているわたしは、大会がないのをこれ幸いに、ますます練習はサボりがちになりました。

気がつくと、お腹の周りが緩みがちに…

東京マラソン、当たっています

やる気ゼロというより、むしろマイナス。
そんな人間に限って当たってしまうんですよね。東京マラソン。
それも、今回2回目!なのです。
実は、2018年にも完走しています。
5回出走している大会の内、2回が東京マラソン。
いつも抽選時期を忘れていて、締め切り寸前に慌てて申し込むレベルなのに。
あまりの強運で、人生の運を注ぎ込んでいるのでは?と不安になります。

ちなみに走るの好きな旦那は、未だ呪いに掛かったように当たらず。
人生って、こんなものですね笑

わたしが当たった大会は、当初2021年3月に開催予定でした。
しかしコロナの影響により、同じ年の10月に延期になります。そしてそれも開催出来ず、2022年3月に延期予定となります。

当時は、感染者数の推移や同じ時期に開催予定だった他の都市型マラソン大会が中止やエリートランナーのみに人数制限をして行なっていたりと、「どうせ、今回も延期もしくはそろそろ中止かな?」という状況でした。

もちろん「どうせ今回もやらないからー」と大した練習はせず。
というか、ほぼ走っていない日々を平気で過ごしていました。

それが蓋を開けると、「やる方向だよ!」という流れに。
海外からの招待選手の発表もあり、「ヤバーい!本当にやる気なの?」と完全に不意打ちを食らったような状態になりました。

出るべきか出ないべきか、それが問題だ

マラソンを完走するために必要な要素は幾つかありますが、最も必要なのは「走り切るための足」です。
ここで言う足とは、パーツそのものではなく、42.195kmを走りぬく強さを持った足、という意味になります。
何もしない状態で、もしマラソンを走ろうとしたら、筋肉痛などでは済まないでしょう。
肉離れとか、靭帯、関節そのものを痛め、治るまでそれなりの時間を有する状態になる可能性があります。

では、その強さを手に入れるには?
答えは1つ。
ただただ地道に走って、足を強くするしかありません。(まるで刀鍛冶のようですね)
ランナーは「月間走行距離」という単語を口にします。月にどのぐらいの距離を走ったか、と言う意味です。

どのぐらいのタイムで走りたいかで、目安とする距離も変わってはきますが、完走レベルでは100kmがよく言われる距離です。
単純計算だと、1回8kmぐらいを週3回という感じになりますが、実際はそう単純でもありません。
常に8kmしか走った事がない人には、残りの34km程は、未知の世界ということになります。

さらに初心者のランナーが完走にかかる時間は、5時間〜6時間程度が多いと思われます。
もしその8kmを毎回1時間程度で走っていた、となると、残りの4時間以上が、やはり未知の世界。

多分、地獄を見ます…
いや、確実に地獄に落ちる。

そのためによく行われる練習内容に、3時間以上の早歩き、20km走、30km走があります。
要は、長い時間長い距離を動き続ける体とメンタルを作っていく練習です。
2〜3か月前からの練習の中で、これらを計画的に組み入れていくことにより、当日の結果に繋がっていくという訳です。

そう、マラソンというと、「メンタルのスポーツ」と言われるほど、この部分が重要なのです。
辛い、苦しい(人によっては楽しい?)時間が交互に襲ってきて、「なんでわたしはこんな事やってるの?」という謎の時空を、己1人で旅していく訳です。
何度も「もう棄権してやる!」と叫び出しそうになる半泣きの自分を、もう1人の自分が宥めすかし叱咤激励しながら、遥か彼方のゴールを目指す。こんなイメージですね。(え?違う?)

ちなみにこの時のわたしは、正確な記録は残していませんが、多分月間走行距離は80km未満だったと思います。
それも、全て走る体力はなく、走ったり歩いたり…という状態でした。(実質は60kmもなかったかも)

前置きが長くなりましたが、以上の説明からお伝えしたかった、わたしの言い訳は…
とても完走できる状態じゃないのよ!
です。はい。

なまじ、マラソンがどういうものか知っているため、「だいじょうぶーなんとかなるんじゃん♪」と軽いノリで言えない辛さ。恐怖しかない。

出るべきか、出ないべきか。
それが問題だ。

これ、もう、真剣に悩みました。
じゃあ、キッパリと辞めるかと言うと、それも出来なく、
「せっかく当たった権利を手放す…何か損した気分」
貧乏性というか、何というか。

倍率10倍以上はあろう東京マラソン。
次いつ当たるかは分かりません。
旦那からは「何だよー出ないのかよーこのバチ当たりーこの当たり逃げめ!」と言われる始末。

実は東京マラソン、かなり初心者に優しい大会なのです。
○制限時間が7時間と長い。
6時間や5時間という大会が多い中で、この制限時間は貴重です。
○コースが比較的平らで広く走りやすい。
登ったり下ったりとアップダウンが激しいコースは、それだけで体力もメンタルも削られていきます。
○東京の街並みを楽しみながら走れるので、テンションがアップしやすい。
同じ場所を通っていても、車道の真ん中から見る風景は全く違います。
何コレー!超楽しー!
これである程度は、時間が過ぎるのを忘れることができます。
河川敷の変化のない風景を永延と走る大会は、それだけでもキツさ倍増…

そう、これだけ挙げてみても、せっかくの権利を不意にするなんて…
東京マラソンに出なくて、他のどの大会に出るっていうの?

…そうね。
出ます、出ますよ!
腹を括りました。

急いでありとあらゆる準備をする

出走すると決めた以上、完走に向けてなりふり構わない準備をして行きます。

①練習

とにかく、1度は長めの距離を走っておかないと。
3週間前に20km走を行いました。
しかし想像以上に、足も体力も劣化していて、18kmぐらいで疲労で足がもつれ、転倒するという情けなさ…
手足を擦り剥き、流血しました…

②シューズ

【HOKA ボンダイX】
カーボン入りの厚底シューズ
この時、発表されたばかりの新作シューズ。
カーボン入りというと、一部のエリート選手が履く物で、初心者は使いこなせない印象でしたが、このボンダイXは初心者のジョギングでも、さらに言うとウォーキングにも使えるよ!という物です。
『走る楽しみをみんなに!』というコンセプト。
口コミやYouTubeの評価をチェック。
カーボンの反発により、足が前に出やすくなるらしい。
疲れ切って、足が動かなくなる後半に有効だと、期待しました。

わたしは、もともとHOKAの愛好者です。
ブランドの創始者が、自分自身の故障のために開発したシューズが始まりだそうです。
常に股関節の痛みに付き纏わられているわたしが、最後にたどり着いたブランドです。
故障が増え始める、中年層以上に愛好者が多いイメージです。

デメリットは、全体的に値段が高いブランドです。
今回購入したボンダイXは、その最たる物。
しかし、シューズって本当に重要なのです。
安さ優先で、足に合わない物を選ぶと、故障の原因になります。

しかし本当は、ちゃんと練習していれば、カーボン入りの高価なシューズに頼らなくても、普通のランニングシューズで十分完走できます。
今までちゃんと練習してこなかったツケが、こんなところに効いてくるとは…

③補給食

マラソンは膨大な体力を使うスポーツです。
おおよそ2100カロリーを消費すると言われています。
ここで大切なのが、レース中に摂取するカロリーになります。
どの大会でも、各エイドで一口サイズの饅頭やカステラやフルーツのような給食が出ますが、数に限りがあり途中で無くなってしまったり、また、疲労で胃腸が固形物を受け付けなくなる事もあります。
カロリーが枯渇すると、低血糖に陥り、走るどころではない状態に…

そこで大抵のランナーが携帯するのが、ジェル。
カロリーだけではなく、足つり防止のミネラルやカフェインが入っている物もあり、レース中に必要な成分を効率良く摂取できます。
完走に時間がかかる初心者であればある程、途中でのカロリー補給は必須です。
飲むタイミングは人それぞれですが、10kmに1本程度が多いパターンかもしれません。

値段は少し高めになりますが、専用の小さな物が良いです。
カロリーメイトのような大型の物の方が安いですが、実際に走ってみると、荷物は1gでも軽くしたい!となる瞬間が必ず来ます。

今回使用した物です。
有名選手や実業団も使用している物らしく、内容もさることながら、味も飲みやすかったです。(物によっては、超不味い物もあります…)

実際、レース中に「うわー不味い!」と結構な大声を出しながらジェルを飲んでいる、女性のランナーがいました。笑

補足ですが、ジェルはベタベタして手や口に付着しやすく、飲み込み辛い事もあるので、水やスポーツドリンクが提供されるエイドで使用した方が、後が楽です。

こちらは、エネルギー補給ではなく、喝を入れるための活性剤のようなもの。
上記の物よりは、必須性は低いです。
本当に力が出なくなった時のために、お守り代わり程度で持つ人もいる程度。
わたしは大体30km辺りで使うことが多いです。

その他念のため、塩タブレットを持っていると安心です。
特に天気が良く、発汗が多そうな天候だと、ミネラルが抜け、足攣りの可能性があります。
初マラソンの時に、河川敷で両足を抱えて悶絶するランナーを目撃したことが!恐怖!

④ペースを決める

1kmを何分で走ると、どのぐらいの時間でゴール出来るかを計算します。
ネットを見ると、一覧が載っています。
例えば、1km7分だと4時間55分22秒
これに、エイドで補給したりストレッチをする時間やトイレに行くかもしれない時間等、もしもを考え、多少プラスアルファで考えます。

時間ギリギリになる初心者だと、最悪の場合1、2分が運命を分けたりもします。
マラソンには、ゴールタイム以外に関門タイムと呼ばれる制限時間があります。
12km・22km…と何回にわたって決められた時間に間に合わないと、そこで強制的に終了となります。
なので、この時間は非常に重要で、人によっては各タイムを記入した紙を持参したり、腕に書き込んでいる人もいます。
せっかく頑張って来たのに、41kmでタイムアウト!となったら、泣くに泣けない状況ですよね。

自分がどのぐらいのスピードで、長い距離を走っていけるかを事前に確認することをお勧めします。
その助けになるのが、ランニングウォッチです。
GPSと連動し、速度や走行距離を測ることができます。
ただし、やはり時計なのでそれなりの値段がします。
マラソンは今回だけ!という方には、ちょっと無理な出費だとは思います。
これからもランニングを続けていこうという方は、色々なメーカー・種類があるので最初は安価な物でも使ってみると、客観的なデーターが分かるので、かなり便利ではあります。
ランニングログ以外にも、歩数計やライフログも取ることが出来るタイプもあります。
わたしは日常的に、自分の睡眠ログを確認しています。


疲れてくると、どんどんと下降線を辿るようにタイムは落ちて行きます。
初心者の方は、最後はほとんど歩いてしまった…となる可能性もあります。
かなり余裕を持って計画を立てましょう。

⑤最後は…

「自分は出来る!」という前向きな自己暗示
もしくは、「無」の極地 笑

走るのが好きな旦那は、「ちゃんと練習して来たから大丈夫!」「どうせ走るなら楽しんで!」という前向きさ。
対してわたしは、市場に売られて行く仔牛のようなドナドナな状態…
諦めて、思考停止状態でスタートラインで大人しく運命の瞬間を待ちます。

どちらなのかは、あなた次第!笑

以上が前日までの大まかな流れです。
走りと同じ様に、グダグダヨロヨロ長くなってしまったので、肝心の当日の様子は次回お伝えしていきます。 【続く】

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