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ひとり娘の育て方〜バレリーナから東大〜

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ひとり娘が生まれてから、引っ込み思案でこわがりだった娘が、家族での外国生活、バレエとの出会いを通じて自立心や自己肯定感を高めていった過程を書いていきたいと思います。少子化の現在、…
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#子育て日記

④子どものことばとの出会い、つきあい方

 前の章で書きましたが、とにかく娘には新生児のときからできるだけ話しかけていました。そして毎日の絵本と歌の時間。そのおかげか、娘が言葉を覚え話すスピートは早かったように思います。子どもによって成長するスピードはそれぞれですから、早ければ良い、と一概に言えませんが、言葉を覚え、それを使いこなしていくさまを見るのは、親としてとても楽しいものです。  娘が最初に覚えた言葉は、残念ながら「ママ」でも「パパ」でもありませんでした。子どもは生まれ落ちた瞬間から、親の大きすぎる期待を裏切

②ベビー服から決まっている

 「次の検診までに、赤ちゃんの性別をあらかじめ知りたいか、ご主人と話し合って決めてきてください。」  ある日の検診で、超音波検査のあと医師が言いました。現在は赤ちゃんの3D画像も見られる時代になりましたが、私が娘を妊娠していた頃にはまだ不鮮明な画像の時代でした。よくテレビのドラマで妊婦が大声をあげ必死の形相でいきんだあと、元気な産声とともに産婆さんが「立派な男の子ですよ」とか「かわいい女の子ですよ」とか言いながら母になったばかりの人の枕元に、丸々した赤ちゃんを連れてくる、そ

ひとり娘の育て方〜バレリーナから東大〜①

はじめに 以前勤務していた女子高の校長室で、校長先生と向かい合ってお話していたときのことです。その日は、もうすぐ退職するという時期で、その学校の生徒達の様子や今後の学校のあり方などについて、感じたことをとりとめもなくお話していました。突然、校長先生が私に向かっておっしゃったのです。  「先生、今度、先生の教育方針について、本校の保護者の前でおはなしいただけませんか。」  私は校長先生が、「教師としての教育方針」について話してほしいとおっしゃっていると思い、一瞬不思議に思い