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ひとり娘の育て方〜バレリーナから東大〜

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ひとり娘が生まれてから、引っ込み思案でこわがりだった娘が、家族での外国生活、バレエとの出会いを通じて自立心や自己肯定感を高めていった過程を書いていきたいと思います。少子化の現在、…
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2024年10月の記事一覧

⑦バレエを習う理由(自分を受け入れる)

 娘にバレエを習わせるのがいいと思えた理由は、もうひとつあります。それは、自分の身体を受け入れるということが、成長していく娘にとって大切なことだろうという思いからです。私には、3つ年上の兄がいて、中学生くらいまではいつもお兄ちゃんみたいになりたいと思っていました。高校、大学と男子の多い学校に進み、大学院に行くとほとんど女性のいない環境になりました。その後進んだ研究の世界もまだまだ男性社会で、「女性は不利だ」と思うできごとにたびたび遭遇してきました。冗談半分、本気半分で「次に生

⑥習い事の始め方

 「習い事」、「お稽古ごと」を始めるのはどういうタイミングか、何を選べばよいのか、子育て中の友人同士でよく話題にのぼります。将来の進路に役立つようにとか、早くから英才教育を受けさせたいとか、一生続けられる趣味を持ってもらいたい、などという親なりの期待があるかと思います。なにかに打ち込む体験をしてほしい、集中力を身に付けてほしい、身体を鍛えてほしい…期待は尽きません。  我が家の場合は、娘がごく小さかったときは私の仕事が忙しかったことや、体調がすぐれなかったことなどで、何かを

⑤文字とのつきあい

 娘が生後7ヶ月から通っていた保育園は、独自色の強いおもしろい園でした。たまたま当時の自宅に近く、歩いて送り迎えができるということだけで選んだのですが、入園してみると、東京都内であるにもかかわらず、子どもたちを毎日戸外ではだしで泥んこで遊ばせたり、長いお散歩があったり、園で提供されるおやつや昼食も材料から吟味するなど、いわゆる「こだわりの」保育園でした。自然に触れ合わせて育てたいという保護者の支持を次第に集め、認可が降りる時期にはかなりの競争率だったと聞きました。娘を通わせよ

④子どものことばとの出会い、つきあい方

 前の章で書きましたが、とにかく娘には新生児のときからできるだけ話しかけていました。そして毎日の絵本と歌の時間。そのおかげか、娘が言葉を覚え話すスピートは早かったように思います。子どもによって成長するスピードはそれぞれですから、早ければ良い、と一概に言えませんが、言葉を覚え、それを使いこなしていくさまを見るのは、親としてとても楽しいものです。  娘が最初に覚えた言葉は、残念ながら「ママ」でも「パパ」でもありませんでした。子どもは生まれ落ちた瞬間から、親の大きすぎる期待を裏切