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ポエム【夢想】

夜明けに近い未明
夢を見ていた
 
冷たい氷雨の中を
東から流れ來る雲
西から光を背に去り行く雲

荒ぶる風は
全てを清めるかの如く
持ちさって行った
 
空の色と雲の流れ
風の音色や空気の香り
冷やかな星の煌き
青い月影に目を止め
 
四季の花々が
奏でるであろう
彩りの旋律に
至福の時は流れ
 
貴方の手は温かかった
 
そうさ、幸せなとき
急ぎ足で去って行くと
夢の中の貴方は言う
 
君が紡いだ
言の葉で綾を取り
心の想いを編み込めば
道はおのずと開かれん
 
素晴らしい時を
笑い、泣き、怒り、歌い
自分を信じて、と
背を向け歩き始めた貴方

後ろ姿に語り掛けるも
記憶の奥へと消えて行った


誰かの泣き声が...

目覚めれば冷たい朝が
光りを背に微笑んでいた


ドビュッシーの「月の光」を聴きながら、
数十年前のポエムを読み直し創作しました。