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Photo by
night_contrail
【詩】鶏頭の花穂が沈む
頭が揺れる
水が零れる
鶏頭の花穂が沈む
前世の行い故
そんなプランしか残されておらず
渋々、選択したことさえ
忘れ、生まれてきた者に
まんまと厄年に
相応しいだろう?
と言わんばかりに
厄として降りかかり
水が零れゆく隙間は
自らの血液で塞ぎ
鶏頭の花穂は
水圧で浮上させ
一段落ついたとして
深く暗い水底に沈んだ心は
さて、どうしよう?
ポトポトと、水滴が落ちる
柔い雪だるまをひけらかすために
病人の布団を濡らす
そんな無邪気な生き物が
浮き輪となれども
保健室を本拠地とし
厄介者として存在する姿を
「ウラヤマシイ」
と、ホザク
そんな無神経な生き物が
針となり刺したならば
再び、萎み、沈み
どうしたものか?
「鶏頭の花穂が沈む」
そんな悲劇を
どう喜劇に変えればいい?