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朔の読書感想文 その4
何か取り留めのないことを考えたりするのは好きだけど、哲学に関する本ってあまり読んだことないなということで今回は哲学に関する本について感想を書いてみようかなと思います。
あらすじ
「将来が不安」「お金がほしい」「死ぬのが怖い」
これらの現代人の悩みははるか昔から私たちを苦しめていた人類共通の悩みです。
であるならば、哲学者や思想家と呼ばれる、思考そのものを生業とする人たちが、これらの悩みに答えを出しているはずです。
平易な言葉で哲学を学べて、あなたの悩みが解決します
なかなか面白かった、人が日常的に思う辛いことに哲学者の視点を借りて 返答する本で、
例えば、「仕事に行きたくない」とか「上司が苦手」とか
一度は思うことが議題になっている。
答えだけ見ると直接その答えになっていないような気がするが、どのようにその哲学者がこの思考に行き着いたのかを知れば答えになっている気がする。
日本で有名になった「嫌われる勇気」のアドラーはやっぱりわかりやすい。それもあって日本で人気になったのかもしれない。
他者が自慢ばかりしてきて、それが気に食わないという質問だったと思うが
人と人との間に線を引いて、人の課題と自分の課題を分けろという答えは私の中で腑に落ちた、
人はたまに人との線引きが曖昧になる、家族ならよりその兆候があるだろう。どうしてわかってくれないのか、どうしてそんなことを言うのかっていうことが関係が深くなればなるほど思うものかもしれない。
アドラーによればそれを思い、言ってしまうのは相手側の課題であり私の課題ではないと
そう思うと案外簡単に俯瞰して見ることはできるかもしれないが、同時に自分の感情が大事と思って生きる身としては傷ついた心をどうするかは自分の課題だなと思った。
その気持ちを対話ができると期待し、歩み寄っても良いし、無理だと見切りをつけることも大事なのだろう。
あともう一つ印象的だった解答は、
家族間の諍いで肉親だが許せないという悩みに
そんな場合は哲学的に言うのならば『許す』
今までの全てを許し互いにその諍いから自由になる
とのことだ
正直、そんな理想的なことが起これるならば訳はない
中々難しい
実際その説を提唱した哲学者もユダヤ系として哲学者自身は被害に遭っていないがたくさんの同胞がドイツによって虐殺された。
そのユダヤ人を施設に送っていた役人の裁判が開かれた時、世界的知識人としての意見を求められた彼女の意見は、その役人は昇給欲が強いだけのただの人だった、彼は赦しに値しない
とのことらしい、
仮に彼に特段その仕事を請け負っただけの正当(というのも変だが)な理由があれば、彼女は赦しをしたのだろうか。
あまりにも残酷な行いについて許しを与えることは難しい、ここがこの哲学にとって限界だったのかもしれない。
平等に全てのことに赦しを与えることは不可能である。
でももし、相手と諍いを超えた関係の先にいきたいのなら、許すことも大切 な要素にはなるのかもしれない。
色々な哲学的な考え方があり、どれかは共感でき、どれかはしっくりこないこともあるだろうが、哲学書や哲学的な思考をすることで、自分にとって生きやすい、環境を思考から作っていけるのかなとこの本を読んで思った。
直接、知識として哲学を知っていくのもいいが、ゲームや小説などの物語から概念を得ていくのも楽しそうだなと思った。
ではでは、朔の夜明けを待ちながら。