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月夜

ある冬の寒い夜。
実家である超のつくど田舎に帰っていた私は、そろそろ寝ようと寝室のある2階へ上がろうとしていた。
宵っぱりの朝寝坊は父譲り。もう誰も起きていない。居間の電灯を消すと真っ暗だ。しんとした冬の家の寒さがさらにキリキリと身に沁みる。

階段を上り切ると、昼のような明るさに驚いた。

カーテンを開け放った窓からは、街灯のない田舎道が丸見えだ。そこには降り積もった雪が、屋根も、道路も、田んぼや畑も、その向こうの山も、全てを覆っていた。その上で、雲ひとつない夜空にまん丸な月が煌々と光り、雪が光を反射している。

白銀の世界があった。すべてが白く輝いた世界だった。静謐な、夜の美しさであった。寝るのを忘れ、寒さを忘れ、ずっと見ていたかった。

今日、満月に数日足りない明るい月を見て、そんなことを思い出した。

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