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読書の夏 ◆8月に読んだ本 その②◆

フォロワー様お二人と、いつも私のnoteを読んでくれている友人から紹介・おすすめいただいた本を読んだので、その感想を記す。

「ただの飯フレです」(さのさくら 幻冬舎コミックス)1-3巻

面白かった!!!
現在出ている第3巻まで一気読みした。

「飯フレ」は「メフレ」と読む。
人間関係に疲れや億劫さを感じている20代後半の男女がマッチングアプリで出会い、「セフレ」でも「恋人」でもない、ご飯を一緒に食べるだけのちょうどいい距離感の「飯フレ」として、心地良い関係を始める。

主人公の男女がとても良い。
人づきあいが苦手、仕事は熱心、メニュー即決、飄々として心優しき爬虫類顔のピアス男子。
食べることは好きだけど1人で外食はできず、可愛くて男性から猛烈なアプローチを受けることもあるけれど、求めている関係性はそういうのじゃない、とモヤモヤしている女子。

この2人を中心として、主な登場人物は20代の若者たちだが、30代、40代の上司たちとの関わりも描かれる。
結婚、同棲という「人と暮らす」ことってどう思う?とか、その他諸々の人間関係について語り合う彼らの会話が、アラフィフの私にもグサグサ刺さり、「うぅ、わかる~~」と叫びそうになる。

2人が出かけるいろんなお店で出てくる料理は、どれも美味しそう。
私自身は2019年にうつ病を発症してから人間関係の形がだいぶ変わり、お酒をやめ、外食をすることがとんと減ってしまって久しいけれど、またあちこち美味しいお店に食べに行きたくなった。
飯フレはいないけれども(笑)

あれ?2人の関係はこれからどうなるの?という場面で第3巻は終わった。
先の展開が読めない。第4巻の発売が今からとても楽しみだ。

◆◆◆

「自分という壁 自分の心に振り回されない29の方法」 
(大愚元勝、アスコム)

作者の大愚和尚については、うつ発症によっていろいろうまくいかなくなって、うなるように苦しんでいた時期、救いを求めて「大愚和尚の一問一答」のYouTube動画をよく観て知っていたので、この本にもすっと入っていけた。

内容に関しては「和尚様のおっしゃるとおりなんでございますが、なかなかそうは考えられんのですよ」と思ってしまう箇所もあった。
仏教の教えはやはり厳しいものである。そりゃそう簡単に会得して、問題解決とはいくまい。

とはいえ、納得、共感できる点は多々あり、とりわけ「絶望」について書かれた文章が心にカチッとはまる感じがした。

絶望するような状況に陥ったら、大きなショックを受けるでしょう。
「この世の終わり」
「もう生きていられない」
場合によっては、そんなふうにとらえる人もいらっしゃるかもしれません。

(中略)

では、絶望にいっさいの救いがないかというと、そんなことはありません。
逆に、ポジティブにとらえることもできます。
絶望したということは、すなわち「限界を迎えた」「今よりもさらに落ちることはない」状況にあるということです。

(中略)

「ひとつの方向性に対して望みが断たれた」ということは、「違う方向性に対して可能性が開けた」ということでもあります。
もしかしたら絶望を感じた瞬間は、自分にとって本当に大事なものを見極めていくチャンスかもしれないのです。

127-129ページ

43歳から46歳ぐらいまでの私は絶望の只中にいて、未来に何の希望も持てなかったが、40代も終わりに近づきつつある今、たしかに以前とは違うベクトルのほうへと動き出している。

それが最終的に正しい方向性になるかどうかは未来になってみないとわからないけれど、絶望を経て、自分の中から生まれた方向性なので、不安はありながらも今のところそれなりに納得感はある。

渦中にいた時には一歩も前に進めない膠着状態が永遠に続くのだろうかと思っていたが、今となっては、心は常に移ろってゆく、諸行無常という大愚和尚の教えが切々と心に響く。

今回、活字で落ち着いてゆっくり読めて、あらためて気持ちをだいぶ整理できたように思う。

◆◆◆

「100歳ランナーの物語:夢をあきらめなかったファウジャ」
(シムラン・ジート・シング著、バルジンダー・カウル絵、おおつかのりこ訳、金哲彦監修 西村書店)

インドのパンジャブ地方の村に生まれたファウジャ。
幼少期は歩けず、学校へ通えなかったので、ひたすら農家の仕事を学び、歩く練習を続け、15歳で初めて1キロ半を歩き通せた。

高齢になってから子どもたち家族が済む英国に移住するが、英語は話せず、孤独に陥る。
そんな中、ある日ふとマラソン中継を見て、自分も走ることを決意する。

89歳で初フルマラソンを完走し、その後、ロンドンマラソンに5回出場。
毎回記録を塗り替える。
93歳の時は5時間40分で完走。(30代の頃の私より速いではないか!笑)

その後、挫折を経験してしばらくふさぎ込むが、奮起して100歳で再びフルマラソンを完走。タイムは8時間11分5秒9。

本書の中で特に印象に残ったのは以下の一節だ。

走りながら、これまで人にむりだといわれたことを、頭に思いうかべました。
歩けない……いいえ、できました。
畑仕事ができない……いいえ、できました。
年をとりすぎて走れない……いいえ、いまこうして、100歳で42.195キロを走っています。

38ページ

私も昔、やりたいことに挑戦しようとした時、吃音でうまく話せないことを理由に「あなたにはむずかしいと思う」「やめておいたほうがいい」と言われたことがあるが、いざやってみたらできたという経験がある。

それは、「そういう言葉は脇に置いておいて、君は君でどんどん進めていけばいい」と言ってくれた人のおかげでもある。

「お前には無理」「やめておけ」と言ってくる人のことはスルーするに限る。しかも言った側はその後、たいてい覚えてもいないしね(怒・笑)

この絵本を紹介してくれた友人が、
「マラソンは長く続けられるスポーツだし、走れる場所は日本だけじゃないので、これからエリンギさんの夢はどんどんふくらんでいきそう」
とのメッセージを添えてくれて、涙が出そうになった。

100歳でフルマラソンは私にはさすがに無理だし、そもそもそんなに長生きしたら困るのだけど(笑)、50代、60代、もし元気なら70代も・・・と走り続けていけたらいいなと思う。

◆◆◆

素敵な本を紹介してくださったお三方、ありがとうございました!

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